【実績】IAI電動アクチュエータをCC-Linkで動かしてみた①

00_【実績】IAI電動アクチュエータをCC-Linkで動かしてみた①

私は、日々の業務でIAIの電動アクチュエータを使用したことがありませんでした。

しかし、電動アクチュエータを動かすスキルはいつか必ず必要になると感じ、IAIの電動アクチュエータを購入して自宅で色々と動かしてみました。

この記事では、私が電動アクチュエータを一から学び、ラダープログラムやGOTを作成してみたのでアピールさせて頂きます。(ほとんど自己満足です。)

注意
この記事では、動かす過程や方法については解説していません。
また、作成したラダープログラムやGOTのプロジェクトは開示していませんのでご了承ください。

電動アクチュエータが動いている様子です。

たかがこれだけで…と思うかもしれないですが、私としてはこれだけで感動しました。

1. 装置の概要

IAI製の電動アクチュエータを三菱電機製のPLCを用いて位置決め制御を行います。座標や速度を表示するためのGOTを購入しようと思ったのですが、予算の都合で用意できませんでした。

今回はGT Simulatorを用いてPC上でGOTを動作します。


2. 接続イメージ

機器の接続のイメージは以下のようになります。

電動アクチュエータを使用するため、コントローラを使用します。

PLCとコントローラはCC-Linkで通信します。


3. 使用する機器の型式

使用する機器は以下の通りです。

・三菱PLC(CPUユニット) → Q03UDECPU
・CC-Linkユニット → QJ61BT11N
・スイッチング電源 → S8VS-09024A
・コントローラ → PCON-CB-42PWAI-CC-O-O
・電動アクチュエータ → RCP3-SA5C-I-42P-3-500-P3-M

これとは別に、コントローラにパラメータを書き込むため、IAI製のパソコン対応ソフト「RCM-101-USB」が必要になります。

00_IAI パソコン対応ソフトRCM-101-USB インストール方法IAI パソコン対応ソフトRCM-101-USB インストール方法

4. GOT画面構成

作成した画面は以下の通りです。

4-1. 自動運転画面

自動運転はポジションNo.0~9に設定されたパラメータ(目標位置・位置決め幅・速度・加減速度)を元に一連動作を行います。

この画面の裏に、元となる工程管理画面があります。一連動作を起動させる場合や連続・一巡の切替は工程管理画面にて行います。

以下が一連動作を行っている時の自動運転画面です。最初に一瞬映る画面が工程管理画面です。


【画面中段のボタン】

中段に電動アクチュエータの動作に関わるボタンを5ヶ用意しました。
・再開
・一時停止
・リセット
・サーボOFF
・ブレーキ解除

一連動作中に一時停止ボタンが押されると電動アクチュエータはその場で一時停止します。その後、再開ボタンにて動作を再開します。


【画面下段】

画面下段には実行中のポジション番号と、アクチュエータからフィードバックされた値を表示しました。
・現在位置
・現在速度
・指令電流
・残移動量


また、現在位置と同期したスライダーを用意しました。これにより、画面上で電動アクチュエータがどこにいるか可視的に判断することができます。


さらに下段には、コントローラからのアラームを表示します。今回のコントローラとアクチュエータの組み合わせには約160種類以上のアラームが存在しますが、どのアラームが発生したかをアラーム番号付きで表示することが可能です。

アラームが発生していなければ、上記のメッセージが表示されます。


【画面右側】

画面右側にはPLCとコントローラをやり取りする制御信号のON/OFF状態を表示します。

4-2. 手動運転画面

手動運転画面では、下記の運転を行うことが可能です。

・原点復帰
・ジョグ
・座標指令

以下が、簡単に各運転を行っている時の画面です。

中段に起動ボタンを用意しました。原点復帰・座標指令を行う場合はこの起動ボタンにて行います。

画面下段・右側にあるものは自動運転画面と同様です。


4-3. モニタ画面

PLCとコントローラをやり取りする全ての信号を意味を含めてモニタする画面です。この画面だけ見ると「なんのこっちゃ?」と思われるかもしれませんが、トラブルシューティングに役立てることができます。


4-4. 情報画面

電動アクチュエータやコントローラの情報を記載してある画面です。

こちらもモニタ画面と同様にトラブルシューティングに役立つかと思います。

あと、設計者の備忘録にもなっています。


5. おわりに

ここで紹介したことは、改善云々の前に『とりあえず動いた!』レベルに過ぎません。ここから、色々な条件のときのインターロックを付加する必要があるとともに、不足している機能も付け加える必要があります。

しかし、現段階でも大変いい勉強になったと感じています。

ざっとですが、これから行いたいことを挙げると、
・ベニヤ板から鉄板に変更して、DINレールとダクトで機器を綺麗に並べる。
・非常停止ボタンを用意する。
・押付け運転機能の追加
・各種運転条件のインターロックを追加
・ポジション数を増やす(50ヶくらい)
・各ポジションの無効フラグを用意して、ポジションを飛ばせるようにする
・各種設定をする「設定画面」の追加

自己満足の記事を最後までご覧頂き本当にありがとうございます。

上で挙げたものは必ず実現させるので、ご期待頂ければと思います。

3 COMMENTS

クロ

はじめまして。私はとある工場でライン系装置の電気保全を10年間経験した後に、FA装置メーカーに転職して4年が経つ電気設計者です。
ラダープログラムのことをまとめている方が少ない中、貴方は特にユニークな方法でまとめていらしているので、コメントを残させていただきます。

ご自分でこれだけの機器を買い揃えるのは経済面で大変なことでしたでしょう。
また同時に、業務でそういったものに触れる機会が限られているのではないか、とも邪推してしまいます。

私も勉強中の身ですのでお伝えできることが限られているのですが、老婆心ながら申し上げますと、アクチューエータ一つ一つを制御するのはそれほど難易度が高くありません。
(CC-LINKなどの通信も同様です。 メーカー側が導入してもらいやすいように様々な気を使ってくれているので、予備知識なしでも何とかなります。
かく言う自分も去年初めてCC-LinkとCC-Link IEフィールドを仕事で扱わなければならなくなり、何も分からないところから取扱説明書とメーカーへの問合せのみで完成させた次第です。)

本当に難しいのは、複数のセンサーやアクチュエータを組み合わせた際の制御で、PLCは常にループしてスキャンした後に一斉に出力するために、ちょっとしたタイミングや順番のずれで思いもしない動作を起こしやすいという点で、PythonなどのPCプログラムとは違う難しさがあると考えています。

とはいえ、貴方がブログでまとめていることはとても素晴らしいと思います。
自分も似たような形で何か発信した方がいいのではと常々考えていたので、とても共感します。
私は環境に恵まれているおかげで、三菱電機だけでなくキーエンスやオムロンのPLCにも触れる機会があったので何かお手伝いできることもあるかと思います。
メールはあまり頻繁には確認していませんが、ご興味ありましたらご連絡ください。

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電気設計人

コメントありがとうございます。

FA業界に精通している方からのコメントは嬉しく感激しております。

正直に申し上げると、FA機器を解説するために個人の財布からFA機器を購入することは経済的に辛いものがあり、良い方法が無いかと模索中であります。

私は当サイトで(偉そうに)PLCのことを解説させて頂いておりますが、お察しの通り日々の業務では「FA機器をガンガン使ってラダープログラムをぶいぶい組んでいる」訳ではありません。
故に貴方のようなFA業界に精通している方が見ると至極基礎部分、かつ実務上の重要度はさほど高くないことを永遠と解説しているように見えるかと存じます。

様々な設計者を私なりに見てきた中で「私自身、電気設計者として初級者を脱して中級者に達した域」だと思っています。(謙遜でもなんでもなく)
CC-Link IE・キーエンスPLC・オムロンPLC…身に付けなければならないことを列挙していくときりがありません。

同時に、今後は勉強しながら当サイトで取り上げる分野も広げていこうと考えております。

繰り返しになりますが、コメントありがとうございます。
同業種の先輩からのアドバイスは嬉しい限りであります。
今後とも当サイト電気設計人.comを宜しくお願い致します。

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クロ

貴方のブログ記事をすべて読ませて頂いてはいないのですが、とかくラダープログラムの技術伝承というのは徒弟制的なものがありまして、貴方のように現代的なやり方でとても丁寧にまとめていらしているのは他に見たことがありません。
私自身、PCプログラムの”クラス”などと同じ感覚でファンクションブロックを使えないものかと思案していたところ、貴方のブログ記事を見つけた次第なので、貴方が発信していることは他の似た立場にいる方たちに役立つものだと思います。
(実際に私がいる事務所には、元組み込み系プログラマで、ラダープログラムは未経験の方がつい最近入って来て勉強中です)

自分も20代後半から焦りを感じていたので、自分ができる形で努力したいお気持ちは分かります。
私が貴方ぐらいの年の頃は工場で電気保全をしていたものですから、設備は今から数えたら15年以上前のもので、タッチパネルは白黒、CC-Linkなどの省配線は皆無という環境にいたので、このままでは技術者として終わってしまうと思い、私は転職して現在に至るわけです。

こうして外に出てみると、世の中にはとんでもない制御屋がいるもので、タッチパネルでテトリスやボンバーマンを作ったなんていう”ド変態”(その方の同僚の表現なのですが、凄さが伝わりやすいと思い、その表現を私もお借りします)もいまして、その方はPLCはもちろんなのですが、私が一緒に仕事をさせてもらった際には、PCを用いてC++でモーター類含め、装置のすべてを制御しているぐらいでした。

少々話が脱線しているようにも感じられるかと思われますが、私が貴方に一番お伝えしたいのは、できることなら職場を変える努力、または肩の力を抜く努力もなされると良いのではないかと思います。
私自身が”井の中の蛙”でありましたし、私自身も貴方のように向上心を持って力んでいた頃があったので、少々心配にもなってしまいます。

もし、より向上することを求めていらしているのなら、県外を含めて転職先を探してみることをお勧めします。関東や東海地方になら、カタログ品でなく毎回客先に応じたユニークな装置を製作する会社を知っています。(職場の人間関係は保障できませんが)
私自身がお世話になり、今現在はあまり好んでいませんが、関東圏を主に扱っている技術職専門の転職エージェントをご紹介もできます。
転職の際には、貴方のこのブログが良いポートフォリオになると思います。

もし、現職を継続なされるおつもりなら、会社内でより装置設計に携われる部署に異動させてもらうよう交渉することをお勧めします。

FA機器は個人で購入するには高額すぎます。
水を差すようですが、くれぐれも自分の生活を第一に考え、資金は良く考えて使うことをお勧めします。

それでもどうしても、と言うのでしたら、パナソニックのPLC ”FP7” を調べてみるのをお勧めします。
このPLCはパナソニック製のカメラと連携して、スマホから遠隔操作するできることを特長としているPLCで、すべてをラダープログラムで制御できるそうです。
スマホ用画面の作成もタッチパネルと同じ感覚で作成できるとのことです。
たとえば、ハウス栽培などの温度管理と含めて野菜類の生育状況を観察するなどの用途を想定しているそうです。

私自身はこのPLCを仕事で扱ったことがなく、展示会で紹介を受けただけですので、これ以上のことはお伝えできないのですが、パナソニックは他社と比べてセンサー類の価格が安いイメージを私は持っているので、FA機器を揃える際の参考になるかと思われます。

最後に、貴方のされていることは、”基礎”とか”重要度が高くない”とかいう優劣の基準ではなく、”他の人とは違うことしている”という感覚で続けてください。

今私がお伝えしたいことは全て伝えましたので、貴方の行く先に輝く未来があることを願っています。
長い話にお付き合いいただき、ありがとうございました。

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