ラズベリーパイは基板上に「GPIO」と呼ばれる、ラズベリーパイ上で作成したプログラムから信号の入力・信号の出力といった制御をすることができるピンが存在します。
信号の入力とは「スイッチのON/OFF」「温度計で室温の計測」といった、ラズベリーパイの外の情報を入力(インプット)してプログラム上で使用することです。
対して、信号の出力とは「LEDを点灯させる」「モータを回す」といった、ラズベリーパイで制御した結果を外に出力(アウトプット)することです。
この記事では、ラズベリーパイのプログラム(Python)からGPIOピンを用いてLEDを0.5秒の間隔でチカチカ点滅させる方法について解説します。
目次
1. 完成イメージ(LEDを0.5秒の間隔で点滅する)
この記事で完成するものは以下のようになります。
ラズベリーパイのGPIOピンをブレッドボードに接続して、プログラム(Python)からLEDを0.5秒の間隔で点滅させます。
2. 使用する部品
今回使用する部品は以下の通りです。
『Raspberry Pi 3 Model B+』を使用します。※2019年12月時点で最新はRaspberry Pi 4になります。
LEDや抵抗といった各種部品や(後述する)ジャンパ線などを穴に差し込み、部品間を電気的に接続する板(ボード)です。
電子工作をする上で必須の部品です。
ブレッドボートに差し込み、電子部品の間を電気的に接続します。
↑の写真では両側が「ピン」になっており、ブレッドボートの穴に差し込んで使用します。
日常生活でも馴染みがある方も多いLEDは「Light emitting diode」の略で、発光ダイオードと呼ばれています。
電子工作で頻繁に使用するLEDは極性があり、プラスとマイナスを逆に接続しても光りません。プラス側をアノード(Anode)、マイナス側をカソード(Cathode)とも呼びます。
LEDなど電子部品は適した電圧と電流が決められており、それ以上の電流を流してしまうと壊れてしまう場合があります。
抵抗は電流の流れを抑えることで、部品に流れる電流を抑える役割を担います。
今回は220Ω(オーム)の抵抗器を使用します。
電子工作をするため、これまで解説した部品の他にもスイッチやセンサなど、色々な部品が必要になってきます。個々で購入するには手間がかかるため、最初はセット品を購入することをおススメします。
私は以下のセット品を購入しました!
また、これからラズベリーパイを購入する場合、ラズベリーパイ本体を含めたセット品を購入することをおススメします。
ラズベリーパイ本体を収めるケースや、OSをインストールするためmicroSDカードなど必要なものを個々に購入する手間を省くことができます。
3. 回路図・配線の様子
ラズベリーパイのプログラム(Python)からGPIOピンを用いてLEDを0.5秒の間隔で点滅させる回路を解説します。
回路図は以下のようになります。
ラズベリーパイの「GPIO 18番ポート」とLEDのプラス側(アノード)を接続します。(オレンジ色のジャンパ線)
LEDのマイナス側(カソード)と抵抗(220Ω)を接続して、抵抗とGNDを接続します。(黒いジャンパ線)
配線の様子です。こんな感じになりました。
↑では、フラットケーブルでGPIOの全ピンをブレッドボードに接続しています。回路図と実際の配線は異なる部分がありますがご了承ください。
※電気的には「回路図」と同じ意味です。
4. プログラム(Python)
LEDを0.5秒の間隔で点滅させるプログラム(Python)は以下のようになります。
#必要なモジュールをインポート
import RPi.GPIO as GPIO #GPIO用のモジュールをインポート
import time #時間制御用のモジュールをインポート
import sys #sysモジュールをインポート
#ポート番号の定義
Led_pin = 18 #変数"Led_pin"に18を格納
#GPIOの設定
GPIO.setmode(GPIO.BCM) #GPIOのモードを"GPIO.BCM"に設定
GPIO.setup(Led_pin, GPIO.OUT) #GPIO18を出力モードに設定
#while文で無限ループ
#GPIOの電圧を制御
while True:
try:
GPIO.output(Led_pin, GPIO.HIGH) #GPIO18の出力をHigh(3.3V)にする
time.sleep(0.5) #0.5秒間待つ
GPIO.output(Led_pin, GPIO.LOW) #GPIO18の出力をLow(0V)にする
time.sleep(0.5) #0.5秒間待つ
except KeyboardInterrupt: #Ctrl+Cキーが押された
GPIO.cleanup() #GPIOをクリーンアップ
sys.exit() #プログラムを終了
極端に言うと、GPIOの18番ポートの電圧をプログラム(Python)から「High(3.3V)にしてLEDを点灯」と「Low(0V)にして消灯」をwhile文で繰り返しているプログラムです。
#必要なモジュールをインポート
import RPi.GPIO as GPIO #GPIO用のモジュールをインポート
import time #時間制御用のモジュールをインポート
import sys #sysモジュールをインポート
2行目~4行目で、LEDを0.5秒の間隔で点滅させるために必要な「モジュール」を宣言します。
#ポート番号の定義
Led_pin = 18 #変数"Led_pin"に18を格納
変数”Led_pin”に18を格納します。後からGPIOのポート番号を変更する場合はここを変更します。
#GPIOの設定
GPIO.setmode(GPIO.BCM) #GPIOのモードを"GPIO.BCM"に設定
GPIO.setup(Led_pin, GPIO.OUT) #GPIO18を出力モードに設定
GPIOの設定を行います。
GPIO.setmode(GPIO.BCM)は、GPIO.setmode()を用いてGPIOをポート番号で扱う方法に設定します。
GPIO.setup(Led_pin, GPIO.OUT)は、GPIO.setup()を用いてGPIO 18番ポートを出力モードに設定します。
#while文で無限ループ
#GPIOの電圧を制御
while True:
try:
GPIO.output(Led_pin, GPIO.HIGH) #GPIO18の出力をHigh(3.3V)にする
time.sleep(0.5) #0.5秒間待つ
GPIO.output(Led_pin, GPIO.LOW) #GPIO18の出力をLow(0V)にする
time.sleep(0.5) #0.5秒間待つ
except KeyboardInterrupt: #Ctrl+Cキーが押された
GPIO.cleanup() #GPIOをクリーンアップ
sys.exit() #プログラムを終了
「while文」は条件を指定して、その条件が真の時に繰り返し処理を行うものです。
while 条件式:
繰り返し処理を行うコード
↑の「条件式」にTrue:を指定することにより、条件式は常に真となりwhile文は無限に繰り返します。
ただし、このままではプログラム実行中に無限ループから抜け出す方法がありません。そこでwhile文の中にある「try文」と「except文」を使用します。
このtry-except文を用いることにより、while文の処理は以下のようになります。
while True:
try:
繰り返し処理を行うコード
except KeyboardInterrupt: #Ctrl+Cキーが押された
GPIO.cleanup() #GPIOをクリーンアップ
sys.exit() #プログラムを終了
except KeyboardInterrupt:は、キーボードのCtrl + Cキーが押された時にwhile文の繰り返し処理から抜けて「GPIOのクリーンアップ」と「プログラムの終了」の処理を行います。
Ctrl + Cキーが押されていないとき、try:文の中の処理を繰り返し行います。(以下で解説)
GPIO.output(Led_pin, GPIO.HIGH)は、GPIO 18番ポートの電圧をHigh(3.3V)にします。ここでLEDは3.3Vが印加され点灯します。
time.sleep(0.5)は、何もせずに0.5秒間待ちます。この処理を行うために2行目でtimeモジュールをインポートしています。
GPIO.output(Led_pin, GPIO.LOW)は、GPIO 18番ポートの電圧をLow(0V)にします。ここでLEDは消灯します。
while文の中(17~20行目)でGPIO 18番ポートを、High(3.3V)⇒0.5秒待つ⇒Low(0V)⇒0.5秒待つ処理を無限に繰り返します。
5. おわりに
ラズベリーパイのGPIOピンを用いてプログラム(Python)からLEDを0.5秒の間隔で点滅させる方法を解説しました。
for文を使用して、LEDをの点滅する回数を指定する方法については以下のページで解説しておりますので、宜しければご覧ください。
【ラズパイ電子工作】LEDをチカチカ点滅させる方法(for文で回数指定)まだまだラズベリーパイ初心者の私ですが、以下の参考書が大変参考にさせて頂いております。
2冊とも初学者にも易しい内容になっており、ゼロからラズベリーパイを始める方にもオススメできる参考書です。