ワンショット出力とは、スイッチ等の入力条件がONすると、ランプ等の出力が一定時間ONするものです。入力条件がONし続けても出力は一定時間後にOFFします。
↑の回路はスイッチ・ランプ・タイマリレーを用いて作成したリレー回路です。PLC(プログラマブルロジックコントローラ)は使用していませんが、もちろんPLCを用いて同じ動作をする回路が作成できます。
この記事では、キーエンスKVシリーズで作成するワンショット出力のラダープログラム例を2ヶ解説します。
リレー回路で作成するワンショット回路については以下のページで解説しておりますので宜しければご覧ください。
【リレー回路】ワンショット回路の回路図と動作三菱電機製シーケンサFXシリーズで作成するワンショット出力のラダープログラムについては以下のページで解説しております。
【ノウハウ初級】ワンショット出力のラダープログラム例【三菱FX】目次
1.【例題①】スイッチONでランプがワンショット出力
下記仕様のラダープログラムを解説します。
スイッチを押し続けてもランプは2秒後に消灯する。
※スイッチを押している時間が2秒未満の場合、スイッチを離した時点でランプは消灯する。
入力条件をスイッチ(R0)、出力条件をランプ(R500)とするワンショット回路を作成します。
このラダープログラムは、スイッチを押している時間が2秒に満たない場合『ランプはスイッチを離した時点で消灯』します。必ず2秒間点灯するラダープログラムは【例題②】で解説します。
タイムチャート
タイムチャートは以下のようになります。
入力リレーR0がONすると出力リレーR500が2秒間ONします。R0がONし続けてもR500は2秒後にOFFします。
R0のONしている時間が2秒に満たない場合、R0がOFFした時点でR500はOFFします。
ラダープログラム
ラダープログラムは以下のようになります。
スイッチ(R0)を押すと、入力リレーR0のa接点がONします。R0がONすると出力リレーR500がONしてランプが点灯します。
同時にタイマT10がONしてカウントを開始します。タイマはTMR命令を用いて100msタイマを使用します。100msタイマの設定値を#20に指定することで2秒間ONすると接点が動作するタイマとなります。(100msは0.1秒)
↑のラダープログラムはR0がONしてから0.6秒経過した時点のイメージです。
キーエンスKVシリーズにおけるタイマ命令については以下のページで解説しております。
【キーエンスKV】タイマ(TMR・TMH・TMS)命令の指令方法とラダープログラム例R0が2秒間ONし続けるとタイマT10の現在値は0となり、T10のb接点がOFF(非導通)になります。
この時、スイッチを押し続けていてもT10のb接点がOFFしているためランプは消灯します。
このラダープログラムは、R0がONする時間が2秒未満の場合ランプはスイッチを離した時点で消灯します。必ず設定時間点灯するラダープログラムは【例題②】で解説します。
2.【例題②】必ず設定時間ランプが点灯するワンショット出力
下記仕様のラダープログラムを解説します。
スイッチを押し続けてもランプは2秒後に消灯する。
※スイッチを押している時間が2秒未満の場合でも、ランプは必ず2秒間点灯する。
今回はスイッチの押している時間が2秒未満であっても、必ずランプが2秒間点灯するラダープログラムを作成します。(こちらの方が実用的だと思います。)
タイムチャート
タイムチャートは以下のようになります。
入力リレーR0がONすると出力リレーR500が2秒間ONします。R0がONし続けてもR500は2秒後にOFFします。
R0のONしている時間が2秒に満たない場合でも、ランプは必ず2秒間点灯します。
ラダープログラム
ラダープログラムは以下のようになります。
【例題①】に対して、R500のa接点を追加して自己保持回路としています。
この自己保持回路によって、R0が一瞬でもONするとR500は2秒間ONし続けます。
↓スイッチを押している時間が2秒に満たない場合
↓スイッチを押している時間が2秒以上の場合
スイッチを押した時間に関わらず、必ずランプが2秒間点灯します。
3. おわりに
キーエンスKVシリーズで作成するワンショット出力のラダープログラム例を解説しました。
実はキーエンスKVシリーズには『ワンショット命令』と呼ばれる便利な命令が存在します。ワンショット命令については以下のページで解説しております。
【キーエンスKV】ワンショット(SHOT)命令の指令方法とラダープログラム例このワンショット命令は【例題②】と同様、入力条件がONしている時間に関わらず必ず指定した時間ONします。
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