キーエンスKV-Xシリーズにおける「ラジアン→角度変換(RadToDeg)FUN」は、指定した角度(ラジアン単位)を度[°]単位に変換するファンクションです。
ラジアン(Radian)とは、円の半径と等しい長さの弧の中心に対する角度のことで、180°=π[Rad]になります。
ラジアンは、三角関数や微分積分との相性が非常に良く、KV-Xシリーズの三角関数命令やFUNでもラジアンを用いられます。
この記事では、キーエンスKV-X500/X300シリーズにおけるラジアン→角度変換(RadToDeg)FUNの指令方法とラダープログラム、ST言語の例について解説します。
キーエンスKV-X500/X300シリーズでは、逆に角度→ラジアンに変換する角度→ラジアン変換(DegToRad)ファンクションが用意されています。角度→ラジアン変換(DegToRad)ファンクションについては以下のページで解説しております。

目次
1. ラジアン→角度変換FUNの指令方法
ラジアン→角度変換(RadToDeg)FUNはLD表現(ラダープログラム)とST表現(ST言語)で使用することができます。

Result := RadToDeg(Rad);
ラジアン→角度変換(RadToDeg)FUNは↓の引数で構成されています。
引数 | タイプ | データ型 | 初期値 | コメント |
---|---|---|---|---|
EN | IN | BOOL | – | イネーブル入力 |
ENO | OUT | BOOL | – | イネーブル出力 |
Rad※ | IN | – | – | 角度(ラジアン単位) |
Result※ | RETURN | – | – | 角度(°単位)格納先 |
LD表現
↓がLD表現で使用したラダープログラム例です。

このラダープログラムでは、角度(ラジアン単位)データであるInDataを角度[°]に変換した結果を角度(°単位)データであるOutDataに格納します。
ST表現
↓がST表現で使用したST言語例です。
OutData := RadToDeg(InData);
このSTでは、角度(ラジアン単位)データであるInDataを角度[°]に変換した結果を角度(°単位)データであるOutDataに格納します。※前述のLD表現と同じ動作です。
2.【例題】変数のラジアン→角度変換値を求める
下記仕様のラダープログラム、STをラジアン→角度変換(RadToDeg)FUNを用いて解説します。
変数は全て単精度浮動小数点(REAL)型として扱う。
ラジアン→角度に変換する処理にラジアン→角度変換(RadToDeg)FUNを使用します。
タッチパネルの動作イメージ
タッチパネルの動作イメージは以下のようになります。

変数Data00の角度(ラジアン単位)を角度[°]に変換した結果を常にData01に格納します。
タッチパネルの対象変数は整数部3桁、小数部3桁に設定してあります。
使用する変数
使用する変数は以下になります。
変数 | データ型 | コメント |
---|---|---|
Data00 | REAL | データ00(Rad) |
Data01 | REAL | データ01(Result) |
ラダープログラム
ラダープログラムは以下のようになります。

角度(ラジアン単位)データにData00、角度(°単位)データにData01を指令したラジアン→角度変換(RadToDeg)FUNで、Data00の角度(ラジアン単位)を角度[°]に変換した結果をData01に格納します。
ST言語
ST言語は以下のようになります。
//Data00(ラジアン単位)→Data01(°単位)に変換
Data01 := RadToDeg(Data00);
3. おわりに
キーエンスKV-X500/X300シリーズにおけるラジアン→角度変換(RadToDeg)FUNについて解説しました。
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