オムロンNJ/NXシリーズにおける「正接(TAN)FUN」は、指定した角度(ラジアン単位)の正接(タンジェント)を求めるファンクションです。
この記事では、オムロンNJ/NXシリーズにおける正接(TAN)FUNの指令方法とラダープログラム、ST言語の例について解説します。
オムロンNJ/NXシリーズでは、他の三角関数(正弦・余弦)ファンクションが用意されています。他の三角関数ファンクションについては以下のページで解説しております。
【オムロンNJ/NX】正弦(SIN)FUNの指令方法とラダープログラム/ST例
【オムロンNJ/NX】余弦(COS)FUNの指令方法とラダープログラム/ST例
また、角度を求める逆三角関数(逆正弦・逆余弦・逆正接)ファンクションが用意されています。逆三角関数ファンクションについては以下のページで解説しております。
【オムロンNJ/NX】逆正弦(ASIN)FUNの指令方法とラダープログラム/ST例
【オムロンNJ/NX】逆余弦(ACOS)FUNの指令方法とラダープログラム/ST例
【オムロンNJ/NX】逆正接(ATAN)FUNの指令方法とラダープログラム/ST例
目次
1. 正接FUNの指令方法
正接(TAN)FUNはLD表現(ラダープログラム)とST表現(ST言語)で使用することができます。
Out := TAN(In);正接(TAN)FUNは↓の引数で構成されています。
| 引数 | タイプ | データ型 | 初期値 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| EN | IN | BOOL | – | イネーブル入力 |
| ENO | OUT | BOOL | – | イネーブル出力 |
| In | IN | REALまたはLREAL | – | 演算対象 |
| Out | RETURN | REALまたはLREAL | – | 演算結果 |
LD表現
↓がLD表現で使用したラダープログラム例です。
このラダープログラムでは、演算対象であるInDataの正接(タンジェント)をOutDataに格納します。
InDataはラジアン単位の角度を指定します。角度(°単位)データの正接(タンジェント)を求める場合、事前に角度(°単位)をラジアン単位に変換する必要があります。
オムロンNJ/NXシリーズでは、角度(°単位)をラジアン単位に変換する角度→ラジアン変換(DegToRad)ファンクションが用意されています。角度→ラジアン変換(DegToRad)ファンクションについては以下のページで解説しております。
【オムロンNJ/NX】角度→ラジアン変換(DegToRad)FUNの指令方法とラダープログラム/ST例
ST表現
↓がST表現で使用したST言語例です。
OutData := TAN(InData);このSTでは、演算対象であるInDataの正接(タンジェント)をOutDataに格納します。※前述のLD表現と同じ動作です。
2.【例題】変数の正接(タンジェント)を求める
下記仕様のラダープログラム、STを正接(TAN)FUNを用いて解説します。
Data01の正接(タンジェント)を常にData02に格納する。
変数は全て32ビット実数(REAL)型として扱う。
角度→ラジアンに変換する処理に角度→ラジアン変換(DegToRad)FUNを使用します。
正接(タンジェント)を求める処理に正接(TAN)FUNを使用します。
タッチパネルの動作イメージ
タッチパネルの動作イメージは以下のようになります。
変数Data00の角度(°単位)をラジアンに変換した結果を常にData01に格納します。
Data01の正接(タンジェント)を常にData02に格納します。
使用する変数
使用する変数は以下になります。
| 変数 | データ型 | コメント |
|---|---|---|
| Data00 | REAL | データ00(角度) |
| Data01 | REAL | データ01(ラジアン) |
| Data02 | REAL | データ02(正接) |
ラダープログラム
ラダープログラムは以下のようになります。
左側のFUNでは、角度(°単位)データにData00、角度(ラジアン単位)データにData01を指令した角度→ラジアン変換(DegToRad)FUNで、Data00の角度(°単位)をラジアンに変換した結果をData01に格納します。
右側のFUNでは、演算対象にData01、演算結果にData02を指令した正接(TAN)FUNで、Data01の正接(タンジェント)をData02に格納します。
ST言語
ST言語は以下のようになります。
//Data00(°単位)→Data01(ﾗｼﾞｱﾝ単位)に変換
Data01 := DegToRad(Data00);
//Data01(ﾗｼﾞｱﾝ単位)の正接をData02に格納する
Data02 := TAN(Data01);3. おわりに
オムロンNJ/NXシリーズにおける正接(TAN)FUNについて解説しました。
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