三菱電機製のシーケンサQn(H)/QnPH/QnPRHCPUシリーズにおけるタイマは指令方法により下記の4種類に分けられます。
・低速タイマ
・高速タイマ
・低速積算タイマ
・高速積算タイマ
いずれもタイマの接点が動作する設定値を指令する必要があり、定数の場合”K”と指令します。
設定値にK1と指定した場合、デフォルトでは低速タイマ・低速積算タイマは100msとなり、高速タイマ・高速積算タイマは10msとなります。
このタイマの設定値の単位(以下:タイマ単位)は低速・高速タイマともにPCパラメータで設定することが可能です。
この記事では、タイマ単位を変更するPCパラメータの設定方法を解説します。
この記事中のラダープログラムはGX Works2で作成しており、プロジェクトのPCシリーズはQCPU(Qモード)、PCタイプはQ03UDEに設定してあります。
目次
1. タイマ単位の変更方法
低速タイマのタイマ単位を変更します。
【変更手順】
1.ナビゲーションウィンドウのパラメータ → PCパラメータをダブルクリックします。
2.タブのPCシステム設定をクリックします。
3.左上のタイマ時限設定に設定するタイマ単位を入力します。
画面上に表示されていますが、低速タイマは1ms~1000ms、高速タイマは0.01ms~100msを設定することができます。
4.ここでは例として、低速を100ms→1000msに変更します。
これにより、低速タイマ・低速積算タイマのタイマ単位は1000ms(1秒)となります。
5.設定後、右下の設定終了をクリックします。
以上でタイマ単位の変更が完了しました。
2. タイマ動作の対比
タイマ単位を変更前と変更後のラダープログラム動作を比較します。対象は以下のラダープログラムです。
変更前のラダープログラムではタイマ単位が100msのため、X0が1000ms(1秒間)ONし続けるとY0がONします。
変更後のラダープログラムではタイマ単位が1000msになるため、K10は10000ms(10秒)となります。
3. 変更の注意点
タイマ単位を変更すると、プロジェクト内のタイマ単位が一斉に変わってしまいます。変更する場合にはラダープログラム全体を精査した後に行ってください。