ダブルコイルとは、ラダープログラム内で同じコイルが複数回使用されている状態のことをいいます。
ダブルコイルは予期せぬ動作を生むバグのため、一般的に使用されていません。
ダブルコイルは別名、二重コイル・二重出力とも呼ばれています。
この記事では、ダブルコイルの動作と対策について解説します。
この記事中のPLCは三菱電機製シーケンサ:FX3G-60MT/ESS、ラダープログラムはソフトウェア:GX Works2を使用します。
目次
1. ダブルコイルの動作
下のラダープログラムをご覧ください。
このラダープログラムでは、Y6のコイルが2ヶ所で使用されています。
この状態がダブルコイルです。
このラダープログラムでも、シーケンサに書き込むことは可能ですが、下記のような動作になります。
【動作】
X1がON、X2がOFFしている状態の動作は下記のようになります。
①X1がONしているので、一つ目のY6がONします。
②Y6がONしたので、Y7がONします。
③X2はOFFしているので、二つ目のY6がOFFします。
ラダープログラムをモニタすると以下のようになります。
Y6がONしていないのにY7がONしてしまっています。
2. ダブルコイルを回避した回路
上で解説したラダープログラムはダブルコイルのため、悪い回路です。
ダブルコイルを回避する方法は多々ありますが、上のラダープログラムの代替として2つ紹介します。
紹介する回路はどちらも、X1またはX2がONした時にY6とY7がONする回路です。
2-1. 入力条件をORにする
このラダープログラムは二つ目のY6を削除して、最初のY6の条件にORでX2を追加しています。
2-2. 内部リレーを用いる
このラダープログラムはX1・X2でM1・M2をONさせて、M1・M2の接点をY6の入力条件にしています。
3. ダブルコイルの発見方法
ダブルコイルを発見するにはラダープログラムを上から下まで隈なく検証すれば発見することができますが、ステップ数が多くなれば多大な時間を費やすことになります。
GX Works2ではダブルコイルを発見することができるプログラムチャック機能があります。
メニューバーのツール(T)
→プログラムチェック(G)…をクリックして実行をします。