ラダープログラムには『接点』と呼ばれるスイッチのような役割をする記号が存在します。
ラダープログラムの大半は、この接点を組み合わせてコイルと呼ばれる要素やデバイスをONさせたり、命令を実行させたりするプログラムです。(ものすごくざっくりですが。)
ラダープログラムは、電気回路と同じ考え方で複数の接点を直列で接続したり、並列で接続することが可能です。
この記事では、ラダープログラムにおける接点を『直列で接続した場合』と『並列で接続した場合』にどのような動作になるのか解説します。
回りくどいですが、ラダープログラムを理解するには簡単な電気回路を理解して頂く必要がありますので、併せて解説をしていきます。
「そもそもラダープログラムってなんやねん?」という方は、以下のページで解説しておりますので、宜しければご覧ください。
【ラダープログラム基礎】そもそもラダープログラムとは?ラダープログラムの基本的な記号は以下の記事で解説しておりますので、宜しければこちらも併せてご覧ください。
【ラダープログラム基礎】ラダープログラムの記号を解説(接点やコイル)目次
1. まずは1ヶの接点でコイルをON
接点を直列・並列に接続して動作を確認する前に、接点が1ヶの場合はどのようになるのか解説します。「そんなことわかってるってばよ!」という方は次項にお進みください。
まず最初に、スイッチとランプを使用した簡単な電気回路について解説します。以下の電気回路をご覧ください。
この電気回路は『スイッチを押している間、ランプが点灯する回路』です。
もう少し噛み砕くと、スイッチを押すことでランプに電流が流れて点灯する回路です。
ラダープログラムも電気回路と同様の考え方でプログラムを組みます。
ラダープログラム上ではスイッチやランプ等の機器はアドレスに割り当てる必要があります。ここでは以下のようにスイッチをX0、ランプをY0というアドレスに割り振ります。
スイッチ | :X0 |
ランプ | :Y0 |
『スイッチをX0』『ランプをY0』に割り振ったラダープログラムは以下のようになります。
記号は電気回路と異なりますが、なんとなく似ているかと思います。
左側にあるX0の記号が『接点』、右側にあるY0の記号が『コイル』と呼ばれるものです。
このラダープログラムは『入力リレーX0がONしている間、出力リレーY0がONするプログラム』です。
入力リレーX0をスイッチ、出力リレーY0をランプに置き換えると、先ほどの電気回路と同じ動作になります。
2. 接点を『直列』で接続するラダープログラムの動作
先ほどと同様に電気回路から解説して、その後にラダープログラムを解説します。
スイッチ2ヶを『直列』に接続すると、以下のような電気回路になります。
この電気回路は『スイッチAとスイッチBの両方が押されている時にランプが点灯する回路』です。
スイッチAだけが押された場合や、スイッチBだけが押された場合、ランプには電流が流れず点灯はしません。
スイッチが両方が押された場合のみランプが点灯します。
ラダープログラムにおける接点を『直列』に接続した例を解説します。
先ほどの電気回路で使用した機器を、ラダープログラム上で以下のようなアドレスに割り当てます。
スイッチA | :入力リレーX0 |
スイッチB | :入力リレーX1 |
ランプ | :出力リレーY0 |
接点を直列で接続したラダープログラムは以下のようになります。
このラダープログラムは『入力リレーX0かつX1がONしたときに出力リレーY0がONするプログラム』です。
直列で接点を接続した回路のことを『AND回路』や『論理積回路』と呼びます。
このように、AND回路は実行するための条件がすべてONしたときに出力がONする回路です。
リレー回路におけるAND回路については、以下のページで解説しておりますので、宜しければご覧ください。
【リレー回路】AND回路の回路図と動作ラダープログラムにおけるAND回路については、以下のページで解説しておりますので、宜しければご覧ください。
【ラダープログラム回路】AND(論理積)回路のラダープログラム例【三菱FX】3. 接点を『並列』で接続するラダープログラムの動作
スイッチ2ヶを『並列』に接続すると、以下のような電気回路になります。
この電気回路は『スイッチAまたはスイッチBのいずれか1ヶでも押されている時にランプが点灯する回路』です。
スイッチが同時に2ヶ押された場合であっても、ランプには電流が流れて点灯します。
ラダープログラムのおける接点を『並列』に接続した例を解説します。
『直列』で接続したときと同様に、電気回路で使用した機器をラダープログラム上で以下のようにデバイスを割り当てます。
スイッチA | :入力リレーX0 |
スイッチB | :入力リレーX1 |
ランプ | :出力リレーY0 |
接点を並列で接続したラダープログラムは以下のようになります。
このラダープログラムは『入力リレーX0またはX1がONしたときに出力リレーY0がONするプログラム』です。
並列で接点を接続した回路のことを『OR回路』や『論理和回路』と呼びます。
このように、OR回路は実行するための条件の中で、いずれか1ヶでもONしたときに出力がONする回路です。
リレー回路におけるOR回路という方は、以下のページで解説しておりますので、宜しければご覧ください。
【リレー回路】OR回路の回路図と動作ラダープログラムにおけるOR回路という方は、以下のページで解説しておりますので、宜しければご覧ください。
【ラダープログラム回路】OR(論理和)回路のラダープログラム例【三菱FX】4. おわりに(まとめ)
ラダープログラムにおける接点を直列・並列に接続した場合の動作とラダープログラム例を解説しました。
- ラダープログラムは電気回路と同じ考え方
- 直列で接続したAND回路は接点がすべてONするとコイルがONする
- 並列で接続したOR回路は接点のいずれか1ヶでもONするとコイルがONする
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シーケンス制御とは?から始まり身近な使用例や世の中のどのようなところに活用されているか、専門的な用語をほとんど使用することなく解説しています。
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本書の後半では三菱電機製のシーケンサを用いて簡単なラダープログラムについても解説しています。
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