オムロンNJ/NXシリーズにおける「配列要素の平均値算出(AryMean)」は、指定した要素分の配列要素の平均値を算出するファンクションです。(以下、平均値算出(AryMean)として表記します。)
平均値算出(AryMean)を用いることにより「配列要素の平均値を算出する」プログラムを作ることができます。
この記事では、オムロンNJ/NXシリーズにおける平均値算出(AryMean)の指令方法とラダープログラム、ST言語の例について解説します。
目次
1. 平均値算出の指令方法
平均値算出(AryMean)はLD表現(ラダープログラム)とST表現(ST言語)で使用することができます。

Out := AryMean(In, Size);
平均値算出(AryMean)は↓の引数で構成されています。
引数 | タイプ | データ型 | 初期値 | コメント |
---|---|---|---|---|
EN | IN | BOOL | – | イネーブル入力 |
ENO | OUT | BOOL | – | イネーブル出力 |
In | IN | – | – | 演算対象配列 |
Size | IN | UINT | 1 | 演算対象の要素数 |
Out | RETURN | – | – | 演算結果 |
LD表現
↓がLD表現で使用したラダープログラム例です。

このラダープログラムでは、InFlag(入力フラグ)がON(TRUE)している間、InData[0]~[9](要素数10)の平均値をOutData(出力データ)に格納します。
InFlag(入力フラグ)がON(TRUE)中にInData[0]~[9](入力配列)の値が変化すると、OutData(出力データ)の値も追従して変化します。
InFlag(入力フラグ)がON(TRUE)した瞬間のみInData[0]~[9](入力配列)の平均値をOutData(出力データ)に転送する場合、「InFlag(入力フラグ)を立ち上がり微分(R_TRIG)ファンクションブロック等で微分化する」または「平均値算出(AryMean)FUNに微分型(@)を指定する」方法があります。
立ち上がり微分(R_TRIG)ファンクションブロックについては以下のページで解説しております。

微分型(@)を指定する場合、FUN(ファンクション)入力時、頭文字に@を付けます。

ST表現
↓がST表現で使用したST言語例です。
IF InFlag THEN
OutData := AryMean(InData[0], UINT#10);
END_IF;
このSTでは、InFlag(入力フラグ)がON(TRUE)している間、InData[0]~[9](要素数10)の平均値をOutData(出力データ)に格納します。※前述のLD表現と同じ動作です。
2.【例題】配列指定変数の平均値を求める
下記仕様のラダープログラム、STを平均値算出(AryMean)を用いて解説します。
スイッチ緑を押すと、配列指定変数Ary00[0]~[4]の値をゼロクリアする。
配列指定変数Ary00は一次元配列、要素は[0]~[4]の要素数5とする。
Ary00[0]~[4]の平均値をData00に格納する処理に平均値算出(AryMean)を使用します。
Ary00[0]~[4]をゼロクリアする処理に初期化(Clear)ファンクションを使用します。オムロンNJ/NXの初期化(Clear)ファンクションについては以下のページで解説しております。

タッチパネルの動作イメージ
タッチパネルの動作イメージは以下のようになります。

配列型変数Ary00[0]~[4]の平均値を常時Data00に格納します。
スイッチ緑を押すと、配列型変数Ary00[0]~[4]の値をゼロクリアします。
使用する変数
使用する変数は以下になります。
変数 | データ型 | コメント |
---|---|---|
SwGreen | BOOL | スイッチ緑 |
Data00 | UINT | データ00(平均値) |
Ary00 | ARRAY[0..4] OF UINT | 配列00 |
P_On | BOOL | 常時ONフラグ(システム変数) |
ラダープログラム
ラダープログラムは以下のようになります。

算出する範囲の先頭にAry00[0]、算出する要素数にUINT#5、平均値格納先にData00を平均値算出(AryMean)に指令することで、Ary00[0]~[4](要素数5)の平均値をData00に格納します。
イネーブル入力にP_On(常時ONフラグ)を指令することで、平均値の算出を常時行います。
イネーブル入力にSwGreen(スイッチ緑)、対象変数にAry00を初期化(Clear)に指令することで、スイッチ緑を押すとAry00の配列要素を全てゼロクリアします。
ST言語
ST言語は下記のようになります。
//Ary00[0]~[4]の平均値を常時Data00に格納
Data00 := AryMean(Ary00[0], UINT#5);
//スイッチ緑押下でAry00の値をゼロクリア
IF SwGreen THEN
Clear(Ary00);
END_IF;
3. おわりに
オムロンNJ/NXシリーズにおける平均値算出(AryMean)について解説しました。
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