【ラダープログラム回路】NAND(否定論理積)回路のラダープログラム例【オムロンCJ】

00_【ラダープログラム回路】NAND(否定論理積)回路のラダープログラム例【オムロンCJ】

NAND回路とは、入力条件がすべてONしたときのみ出力条件がOFFする回路です。言い換えると、入力条件のいずれか1ヶでもOFFだと出力条件がONする回路です。

AND回路を反転した回路(NOT AND)であることからNAND回路、もしくは否定論理積回路と呼ばれています。

この記事では、オムロンCJシリーズで作成するNAND(否定論理積)回路のラダープログラム例を2ヶ解説します。

注意
この記事のラダープログラムはCX-Programmer Ver. 9.81で作成しており、PLC機種はCJ2Mに設定してあります。
メモ
一般的にNAND回路は「なんどかいろ」と読みます。

リレー回路で作成するNAND(否定論理積)回路については以下のページで解説しております。

00_【リレー回路】NAND回路の回路図と動作 【リレー回路】NAND回路の回路図と動作

三菱電機FXシリーズ・iQ-Fシリーズ・キーエンスKVシリーズで作成するNAND(否定論理積)回路のラダープログラムについては以下のページで解説しております。

00_【ラダープログラム回路】NAND(否定論理積)回路のラダープログラム例【三菱FX】-1 【ラダープログラム回路】NAND(否定論理積)回路のラダープログラム例【三菱FX】 00_【ラダープログラム回路】NAND(否定論理積)回路のラダープログラム例【三菱iQ-F】 【ラダープログラム回路】NAND(否定論理積)回路のラダープログラム例【三菱iQ-F】 00_【ラダープログラム回路】NAND(否定論理積)回路のラダープログラム例【キーエンスKV】-1 【ラダープログラム回路】NAND(否定論理積)回路のラダープログラム例【キーエンスKV】
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1.【例題①】入力条件2ヶのNAND回路

下記仕様のラダープログラムを解説します。

仕様
スイッチ(0.00)かつスイッチ(0.01)が、どちらも押された時のみランプ(1.00)が消灯する。
スイッチが片方でも放されるとランプは点灯する。
スイッチは押すとON、ランプはONすると点灯するものとする。

2ヶのスイッチを両方押したときのみランプが消灯します。スイッチが片方でも放されているとランプは点灯します。

真理値表

真理値表は以下のようになります。

例題①_真理値表1

この真理値表では「”1”がON」「”0”がOFF」を表しています。

入力条件0.00と0.01のAND(論理積)がW0.00になります。

例題①_真理値表2

今回求めるNAND(否定論理積)はAND(論理積)を反転したものです。つまり真理値表でW0.00の0と1の状態を反転した結果である1.00がNAND(否定論理積)となります。

例題①_真理値表3

0.00と0.01のNAND(否定論理積)である1.00は、入力条件がどちらも”1”の場合のみ”0”となります。

タイムチャート

タイムチャートは以下のようになります。

例題①_タイムチャート

W0.00が0.00と0.01のAND(論理積)、1.00がNAND(否定論理積)となります。

W0.00を反転した結果が1.00となります。

タッチパネルの動作イメージ

タッチパネルの動作イメージは以下のようになります。

例題①_タッチパネル

スイッチ(0.00)かつスイッチ(0.01)が、どちらも押された時のみランプ(1.00)が消灯します。

ラダープログラム

ラダープログラムは以下のようになります。

例題①_ラダープログラム

内部補助リレーW0.00の実行条件に入力リレー0.00と0.01を直列で接続することにより、W0.00には0.00と0.01のAND(論理積)の結果が格納されます。(1行目)

出力リレー1.00の実行条件をW0.00のb接点にすることで、W0.00を反転した結果が1.00に格納されます。つまり0.00と0.01のAND(論理積)のW0.00の反転であるNAND(否定論理積)が1.00に格納されます。(2行目)

2.【例題②】入力条件3ヶのNAND回路

下記仕様のラダープログラムを解説します。

仕様
スイッチ(0.00)とスイッチ(0.01)とスイッチ(0.02)のすべてが押された時のみ、ランプ(1.00)が消灯する。
スイッチが1ヶでも放されるとランプは点灯する。
スイッチは押すとON、ランプはONすると点灯するものとする。

【例題①】では入力条件であるスイッチが2ヶでしたが今回は3ヶです。少しややこしくなりますが考え方は同じです。

真理値表

真理値表は以下のようになります。

例題②_真理値表

この真理値表では「”1”がON」「”0”がOFF」を表しています。

入力条件に対する「AND(論理積)がW0.00」「NAND(否定論理積)が1.00」となります。

タイムチャート

タイムチャートは以下のようになります。

例題②_タイムチャート

W0.00が0.00・0.01・0.02のAND(論理積)、1.00がNAND(否定論理積)となります。

W0.00を反転した結果が1.00となります。

タッチパネルの動作イメージ

タッチパネルの動作イメージは以下のようになります。

例題②_タッチパネル

スイッチ(0.00)と(0.01)と(0.02)のすべてが押されたときのみ、ランプ(1.00)が消灯します。

ラダープログラム

ラダープログラムは以下のようになります。

例題②_ラダープログラム

NAND(否定論理積)回路の入力条件が増えた場合、AND(論理積)回路の入力条件に直列で追加します。

3. おわりに

オムロンCJシリーズで作成するNAND(否定論理積)回路のラダープログラム例を解説しました。

NAND(否定論理積)回路の動作は少々ややこしいかもしれませんが「AND回路の逆」と考えると簡単かもしれません。AND(論理積)回路は以下のページで解説しております。

00_【ラダープログラム回路】AND(論理積)回路のラダープログラム例【オムロンCJ】 【ラダープログラム回路】AND(論理積)回路のラダープログラム例【オムロンCJ】

よく似た名前で、NOR(否定論理和)回路と呼ばれるものが存在します。NOR(否定論理和)回路は以下のページで解説しております。

00_【ラダープログラム回路】NOR(否定論理和)回路のラダープログラム例【オムロンCJ】 【ラダープログラム回路】NOR(否定論理和)回路のラダープログラム例【オムロンCJ】

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