NOR回路とは、入力条件のいずれか1ヶでもONすると出力条件がOFFする回路です。言い換えると、入力条件がすべてOFFのときのみ出力条件がONする回路です。
OR回路を反転した回路(NOT OR)であることからNOR回路、もしくは否定論理和回路と呼ばれています。
この記事では、オムロンCJシリーズで作成するNOR(否定論理和)回路のラダープログラム例を2ヶ解説します。
リレー回路で作成するNOR(否定論理和)回路については以下のページで解説しております。
三菱電機FXシリーズ・iQ-Fシリーズ・キーエンスKVシリーズで作成するNOR(否定論理和)回路のラダープログラムについては以下のページで解説しております。
目次
1.【例題①】入力条件2ヶのNOR回路
下記仕様のラダープログラムを解説します。
スイッチがどちらも放されるとランプは点灯する。
スイッチは押すとON、ランプはONすると点灯するものとする。
2ヶのスイッチをどちらか一方でも押されるとランプは消灯します。スイッチがどちらも放した場合のみランプは点灯します。
真理値表
真理値表は以下のようになります。

この真理値表では「”1”がON」「”0”がOFF」を表しています。
入力条件0.00と0.01のOR(論理和)が1.00になります。

今回求めるNOR(否定論理和)はOR(論理和)を反転したものです。つまり真理値表でW0.00の0と1の状態を反転した結果である1.00がNOR(否定論理和)となります。

0.00と0.01のNOR(否定論理和)である1.00は、入力条件がどちらか一方でも”1”の場合に”0”となります。
タイムチャート
タイムチャートは以下のようになります。

W0.00が0.00と0.01のOR(論理和)、1.00がNOR(否定論理和)となります。
W0.00を反転した結果が1.00となります。
タッチパネルの動作イメージ
タッチパネルの動作イメージは以下のようになります。

スイッチ(0.00)またはスイッチ(0.01)のうち、どちらか一方でも押されるとランプ(1.00)が消灯します。
ラダープログラム
ラダープログラムは以下のようになります。

内部補助リレーW0.00の実行条件に入力リレー0.00と0.01を並列で接続することにより、W0.00には0.00と0.01のOR(論理和)の結果が格納されます。(1・2行目)
出力リレー1.00の実行条件をW0.00のb接点にすることで、W0.00を反転した結果が1.00に格納されます。つまり0.00と0.01のOR(論理和)のW0.00の反転であるNOR(否定論理和)が1.00に格納されます。(3行目)
2.【例題②】入力条件3ヶのNOR回路
下記仕様のラダープログラムを解説します。
スイッチがすべて放されるとランプは点灯する。
スイッチは押すとON、ランプはONすると点灯するものとする。
【例題①】では入力条件であるスイッチが2ヶでしたが今回は3ヶです。少しややこしくなりますが考え方は同じです。
真理値表
真理値表は以下のようになります。

この真理値表では「”1”がON」「”0”がOFF」を表しています。
入力条件に対する「OR(論理和)がW0.00」「NOR(否定論理和)が1.00」となります。
タイムチャート
タイムチャートは以下のようになります。

W0.00が0.00・0.01・0.02のOR(論理和)、1.00がNOR(否定論理和)となります。
W0.00を反転した結果が1.00となります。
タッチパネルの動作イメージ
タッチパネルの動作イメージは以下のようになります。

スイッチ(0.00)と(0.01)と(0.02)のいずれか1ヶでも押されると、ランプ(1.00)が消灯します。
ラダープログラム
ラダープログラムは以下のようになります。

NOR(否定論理和)回路の入力条件が増えた場合、OR(論理和)回路の入力条件に並列で追加します。
3. おわりに
オムロンCJシリーズで作成するNOR(否定論理和)回路のラダープログラム例を解説しました。
NOR(否定論理和)回路の動作は少々ややこしいかもしれませんが「OR回路の逆」と考えると簡単かもしれません。OR(論理和)回路は以下のページで解説しております。
よく似た名前で、NAND(否定論理積)回路と呼ばれるものが存在します。NAND(否定論理積)回路は以下のページで解説しております。


