チャタリング(chattering)とは、スイッチやセンサなど入力機器からの信号が高速でON/OFFを繰り返してしまう現象です。
原因は様々ですが、接触不良やノイズといった原因が考えられます。
この記事では、チャタリングの概要と防止するためのラダープログラムについて解説します。
目次
1. チャタリングの概要
チャタリングは、機械的な接点が接触状態・非接触状態を高速で繰り返すことにより、接続された負荷や制御機器(PLC等)を短時間でON/OFFさせます。
チャタリングは負荷や制御機器に誤動作を発生させる原因になったり、故障の発生源になる場合もあります。また、高速でON/OFFを繰り返すことから振動や異音になる場合があります。
スイッチ(X0)を例に解説します。

スイッチをX0としてPLCに取込み、スイッチを押下します。
(スイッチを押すことを押下といいます)
スイッチ押下時、理論的には同タイミングでX0がONするはずですが、X0はON/OFFを繰り返しています。
X0がONした回数をカウントするラダープログラムがあった場合、チャタリングは誤動作を発生させる原因となります。
2. チャタリングを防止するラダープログラム
上のようなチャタリングを防止するにはタイマを用いる対策が効果的です。

このタイムチャートはX0が0.2秒間連続でONすると、始めてT0がONします。
ラダープログラム上では、T0を”スイッチ押下した状態”として使用します。
このようにX0がONしてから遅延を設けることにより、チャタリング時の高速でON/OFFする部分を無視することができます。

このラダープログラムではチャタリングを防止したタイマ(T0)でY0をONしています。
この回路、実は単純な”オンディレイタイマ回路”です。
入力条件がONした際のチャタリングを防止するには、オンディレイタイマ回路が効果的です。
チャタリングが発生する場面によりますが、0.5秒もあれば十分だと思います。
3. おわりに
チャタリングについて解説しました。
最近では、センサ内部でチャタリングを防止しているものもあり、チャタリングを防止した回路を組まなければならない場面は少ないかもしれません。
しかしチャタリングは制御設計業界ではよく耳にする言葉です。
チャタリングが発生した場合にラダープログラムを修正するにはどのようにすればよいか理解しておく必要があると思います。
チャタリングが発生した時に、”チャタった!”と表現する方もいます。笑


