【キーエンスKV-X】逆正弦(ASIN)FUNの指令方法とラダープログラム/ST例

00_【キーエンスKV-X】逆正弦(ASIN)FUNの指令方法とラダープログラムST例

キーエンスKV-Xシリーズにおける「逆正弦(ASIN)FUN」は、指定した正弦(サイン)値から角度(ラジアン単位)を求めるファンクションです。

この記事では、キーエンスKV-X500/X300シリーズにおける逆正弦(ASIN)FUNの指令方法ラダープログラム、ST言語の例について解説します。

注意
この記事中のラダープログラムはKV STUDIO Ver.12で作成しており、対応機種はKV-X500に設定してあります。

キーエンスKV-X500/X300シリーズでは、他の逆三角関数(逆余弦・逆正接)ファンクションが用意されています。他の逆三角関数ファンクションについては以下のページで解説しております。

00_【キーエンスKV-X】逆余弦(ACOS)FUNの指令方法とラダープログラムST例 【キーエンスKV-X】逆余弦(ACOS)FUNの指令方法とラダープログラム/ST例 00_【キーエンスKV-X】逆正接(ATAN)FUNの指令方法とラダープログラムST例 【キーエンスKV-X】逆正接(ATAN)FUNの指令方法とラダープログラム/ST例

また、三角比を求める三角関数(正弦・余弦・正接)ファンクションが用意されています。三角関数ファンクションについては以下のページで解説しております。

00_【キーエンスKV-X】正弦(SIN)FUNの指令方法とラダープログラムST例 【キーエンスKV-X】正弦(SIN)FUNの指令方法とラダープログラム/ST例 00_【キーエンスKV-X】余弦(COS)FUNの指令方法とラダープログラムST例 【キーエンスKV-X】余弦(COS)FUNの指令方法とラダープログラム/ST例 00_【キーエンスKV-X】正接(TAN)FUNの指令方法とラダープログラムST例 【キーエンスKV-X】正接(TAN)FUNの指令方法とラダープログラム/ST例

1. 逆正弦FUNの指令方法

逆正弦(ASIN)FUNはLD表現(ラダープログラム)とST表現(ST言語)で使用することができます。

10_LD表現
ラダープログラム
ST言語
Result := ASIN(In);

逆正弦(ASIN)FUNは↓の引数で構成されています。

引数タイプデータ型初期値コメント
ENINBOOLイネーブル入力
ENOOUTBOOLイネーブル出力
In※IN演算データ
Result※RETURN演算結果

ラダープログラム上でデバイスを指定した場合、REAL(単精度浮動小数点)型として扱われます。

LD表現

↓がLD表現で使用したラダープログラム例です。

11_LD使用例
メモ
逆正弦(ASIN)はFUN(ファンクション)のため、インスタンス名を指令する必要はありません。

このラダープログラムでは、演算データであるInDataの逆正弦(アークサイン)をOutDataに格納します。

OutDataはラジアン単位の角度で算出されます。逆正弦(アークサイン)の角度(°単位)データを求める場合、後にラジアンを角度(°単位)に変換する必要があります。

キーエンスKV-X500/X300シリーズでは、ラジアン単位を角度(°単位)に変換するラジアン→角度変換(RadToDeg)ファンクションが用意されています。ラジアン→角度変換(RadToDeg)ファンクションについては以下のページで解説しております。

00_【キーエンスKV-X】ラジアン→角度変換(RadToDeg)FUNの指令方法とラダープログラムST例 【キーエンスKV-X】ラジアン→角度変換(RadToDeg)FUNの指令方法とラダープログラム/ST例

ST表現

↓がST表現で使用したST言語例です。

ST言語
OutData := ASIN(InData);

このSTでは、演算データであるInDataの逆正弦(アークサイン)をOutDataに格納します。※前述のLD表現と同じ動作です。

2.【例題】変数の逆正弦(アークサイン)を求める

下記仕様のラダープログラム、STを逆正弦(ASIN)FUNを用いて解説します。

仕様
変数Data00の逆正弦(アークサイン)を常にData01に格納する。
Data01の角度(ラジアン単位)を角度[°]に変換した結果を常にData02に格納する。
変数は全て単精度浮動小数点(REAL)型として扱う。

逆正弦(アークサイン)を求める処理に逆正弦(ASIN)FUNを使用します。

ラジアン→角度に変換する処理にラジアン→角度変換(RadToDeg)FUNを使用します。

タッチパネルの動作イメージ

タッチパネルの動作イメージは以下のようになります。

例題①_タッチパネルイメージ

変数Data00の逆正弦(アークサイン)を常にData01に格納します。

Data01の角度(ラジアン単位)を角度[°]に変換した結果を常にData02に格納します。

タッチパネルの対象変数は整数部3桁、小数部3桁に設定してあります。

使用する変数

使用する変数は以下になります。

変数データ型コメント
Data00REALデータ00(逆正弦)
Data01REALデータ01(ラジアン)
Data02REALデータ02(角度)

ラダープログラム

ラダープログラムは以下のようになります。

例題①_ラダープログラム

左側のFUNでは、演算データにData00、演算結果にData01を指令した逆正弦(ASIN)FUNで、Data00の逆正弦(アークサイン)をData01に格納します。

右側のFUNでは、角度(ラジアン単位)データにData01、角度(°単位)データにData02を指令したラジアン→角度変換(RadToDeg)FUNで、Data01の角度(ラジアン単位)を角度[°]に変換した結果をData02に格納します。

ST言語

ST言語は以下のようになります。

ST言語
//Data00(ラジアン単位)の逆正接をData01に格納する
Data01 := ASIN(Data00);

//Data01(ラジアン単位)→Data02(°単位)に変換
Data02 := RadToDeg(Data01);

3. おわりに

キーエンスKV-X500/X300シリーズにおける逆正弦(ASIN)FUNについて解説しました。

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