【リレー回路】フリッカー回路の回路図と動作

00_【リレー回路】フリッカー回路の回路図と動作

フリッカー回路とは、一定の周期で出力のON/OFFを繰り返す回路です。主にランプやシグナルタワーなどを点滅させる場合に使用されています。

フリッカー(flicker)とは、ディスプレイに生じる細かい”ちらつき”のことを言い、転じてシーケンス制御やラダープログラム業界では一定の時間間隔でON/OFFを繰り返す回路の名称として用いられています。

フリッカー回路は以下のような動作になります。

フリッカー回路の動作

このフリッカー回路を作る場合、一般にタイマリレーと呼ばれる機器を2ヶ使用します。

この記事では、リレー回路で作る「フリッカー回路」の回路図動作を解説します。

ラダープログラムで作成するフリッカー回路ついては以下のページで解説しておりますので、宜しければご覧ください。(三菱FXシリーズで作成しています。)

00_【ノウハウ初級】フリッカー回路(点滅回路)のラダープログラム例【三菱FX】【ノウハウ初級】フリッカー回路(点滅回路)のラダープログラム例【三菱FX】
注意
PLC(プログラマブルロジックコントローラ)を使用する場合、タイマリレーを使用せずにプログラム上でタイマを設けることが多いです。

1. 作成するフリッカー回路の仕様

今回は以下仕様のフリッカー回路を作成します。

仕様
スイッチ(緑)を押している間、ランプ(赤)が点滅する。
※点灯0.6秒、消灯0.4秒を繰り返す。

このフリッカー回路を作成するため、タイマリレーを2ヶ使用します。

2. フリッカー回路の回路図

フリッカー回路の回路図は以下のようになります。

フリッカー回路の回路図

回路図の解説(一連のイメージ)

スイッチ(緑)を押すと、スイッチ(緑)のa接点がON(導通)します。

フリッカー回路の解説1

スイッチ(緑)のa接点がONすると、タイマ1のコイルに電流が流れ、タイマ1がカウントを開始します。

この時点でタイマ1はカウント中のため、タイマ1のa接点はまだON(導通)しません。逆にb接点は導通しているのでランプ(赤)が点灯します。

フリッカー回路の解説2

赤矢印は電流を表しています。


【0.6秒後】タイマ1のコイルに0.6秒間電流が流れると、タイマ1のa接点がON(導通)・b接点がOFF(非導通)になります。

タイマ1のa接点がON(導通)することで、タイマ2がカウントを開始します。この時点でタイマ2はカウント中のため、タイマ2のb接点は導通したままです。

タイマ1のb接点がOFF(非道通)することで、ランプ(赤)は消灯します。

フリッカー回路の解説3

【0.4秒後】タイマ2のコイルに0.4秒間電流が流れると、b接点がOFF(非導通)になります。

タイマ2のb接点がOFF(非道通)になるとタイマ1のコイルがOFFになります。

フリッカー回路の解説4

※ここから連鎖的に状態が変わり、ややこしいので箇条書きで流れを解説します。

  1. タイマ1のコイルがOFF
  2. タイマ1のa接点がOFF(非道通)になりタイマ2のコイルがOFF
  3. 2.と同時にタイマ1のb接点がON(導通)になりランプ赤が点灯
  4. 2.でタイマ2のコイルがOFFによってタイマ2のb接点がON(導通)
  5. タイマ2のb接点がONによってタイマ1がカウント開始
フリッカー回路の解説5

説明が上手くありませんね…。

↑の一連の動作が終了すると、タイマ1がカウントを開始します。つまりスイッチ(緑)を押した時点の状態に戻ります。

スイッチを押している間、上記の動作を繰り返します。

3. 使用する部品

このフリッカー回路を作成するため、以下のものを使用します。

  • 押しボタンスイッチ(a接点有)
  • タイマリレー(a接点有)
  • タイマリレー(a接点・b接点有)
  • ランプ
  • スイッチング電源

私が作成した回路はDC24Vを電源とする回路です。スイッチング電源は24Vを使用しました。

フリッカー回路の配線の様子

配線の様子です。上記の回路図に則り配線してあります。

タイマリレーの設定値はダイヤルを回してセットします。

タイマリレーの設定値

右側のタイマリレーが『タイマ1』、左側のタイマリレーが『タイマ2』としています。タイマ1は0.6秒、タイマ2は0.4秒に設定してあります。

見えにくくてすいませんm(__)m

4. 実際の動作

記事冒頭のGIFと重複しますが、実際の動作は以下のようになります。

フリッカー回路の動作

スイッチ(緑)を押している間、ランプ(赤)が点滅します。

5. おわりに

リレー回路で作る「フリッカー回路」の配線と動作を解説しました。

動作はON/OFFを繰り返すだけなのに、回路はややこしく初学者にとってリレー回路の最初の鬼門と言えます。

最初は「フリッカー回路はこの形!」と覚えてしまうのも有りだと私は思います。

以下の参考書は、リレーやリレー回路についてわかりやすく解説しているものです。

シーケンス制御を理解する前にはリレー回路を十分に理解する必要があります。本書はリレーやスイッチなど機器の原理を丁寧に解説しています。

さらにリレーを用いた自己保持回路や優先回路など色々な回路例を、タイムチャート付きで解説しています。

さらに機器の写真などの図はすべてカラーになっており、大変見やすくなっています。

1 COMMENT

伊藤光孝

なお、実際に使うときはフリッカ機能の付いた1つのタイマでやることが多い模様。

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