【オムロンCJ】100msタイマ(TIM・TIMX)命令の指令方法とラダープログラム例

00_【オムロンCJ】100msタイマ(TIM・TIMX)命令の指令方法とラダープログラム例

オムロンCJシリーズにおける「100msタイマ」命令とは、タイマと呼ばれるデバイスを用いて100ms(0.1秒)単位の指定した時間、タイマの入力条件がONし続けるとタイムアップフラグがONするラダープログラム命令です。

この命令を用いたタイマは、入力条件がONすると100ms(0.1秒)毎にタイマ現在値が減算され、タイマ現在値が”0”になるとタイムアップフラグがONします。

この記事では、オムロンCJシリーズにおける100msタイマ命令の指令方法ラダープログラム例について解説します。

注意
この記事のラダープログラムはCX-Programmer Ver. 9.63で作成しており、PLC機種はCJ2Mに設定してあります。
注意
オムロンCJシリーズにおいて100msタイマ命令は、CJ2H-CPU6□-EIP、CJ2H-CPU6□、CJ2M-CPU□□、CJ1□-CPU□□□-□で使用可能です。その他の機種についてはマニュアルを参照してください。

オムロンCJシリーズにおける10msタイマ命令については以下のページで解説しております。

00_【オムロンCJ】10msタイマTIMH・TIMHX命令の指令方法とラダープログラム例 【オムロンCJ】10msタイマ(TIMH・TIMHX)命令の指令方法とラダープログラム例

1. 100msタイマ命令の指令方法

100msタイマ命令には、2種類の指令方法があります。

命令文内容
TIMBCDの100msタイマ命令
TIMXBINの100msタイマ命令

TIM(BCD)命令の場合、設定値に#0000~9999を指定することができます。(0~999.9秒)

TIMX(BIN)命令の場合、設定値に10進&0~65535、または16進#0000~FFFFを指定することができます。(0~6553.5秒)

TIM:BCDの100msタイマ命令

BCDの100msタイマ命令は”TIM”と指令します。

こちらがTIM命令を使用したラダープログラム例です。

10_TIM命令

このラダープログラムは、0.00がONするとタイマT0が100ms(0.1秒)毎に現在値が減算され、T0の現在値が”0”になるとタイムアップフラグがONします。

TIM命令内で設定値は#50と指定されているため、0.00が5秒間(0.1秒×50)ONし続けると現在値が”0”になります。

現在値が”0”、つまりT0のタイムアップフラグがONするとT0のa接点がONします。

メモ
タイマ番号に”0000”を指定することで、タイマT0を使用します。

↓がTIM命令で設定値を#50にしたラダープログラム動作です。

10_TIM命令解説


先ほどのラダープログラムはCX-Programmerの回路上で TIM 0 #50 と入力してEnterキーを押すと命令が挿入されます。 ※スマートインプットモードの場合

10_命令挿入

TIMX:BINの100msタイマ命令

BINの100msタイマ命令は”TIMX”と指令します。

こちらがTIMX命令を使用したラダープログラム例です。

11_TIMX命令1

このラダープログラムは、0.00がONするとタイマT0が100ms(0.1秒)毎に現在値が減算され、5秒後にT0のタイムアップフラグがONします。先ほどのTIM命令で解説したラダープログラムと同じ動作です。

TIMX命令の設定値で、頭文字に「&」を付けると10進数の0~65535を指定することができます。


11_TIMX命令2

このラダープログラムは、0.00がONするとタイマT0が100ms(0.1秒)毎に現在値が減算され、8秒後」にT0のタイムアップフラグがONします。

TIMX命令の設定値で、頭文字に「#」を付けると設定値は16進数となり、今回の設定値である#50(16進数)は10進数に変換すると80になります。

TIMX命令の設定値で、頭文字に「#」を付けると16進数の0000~FFFFを指定することができます。

↓がTIMX命令で設定値を&50(10進数)にしたラダープログラム動作です。

11_TIMX命令解説1

↓がTIMX命令で設定値を#50(16進数)にしたラダープログラム動作です。

11_TIMX命令解説2

※タイマの現在値は10進数表示にしてあります。

2.【例題①】100msタイマ命令(3秒固定)

下記仕様のラダープログラムを100msタイマ命令を用いて解説します。

仕様
スイッチ(0.00)を3秒間押し続けると、ランプ(1.00)が点灯する。

3秒間をカウントするため、100msタイマ命令の設定値を”30”にして使用します。

タイムチャート

タイムチャートは以下のようになります。

例題①_タイムチャート

入力0.00が3秒間ONし続けると出力1.00がONして、入力0.00がOFFすると出力1.00も即座にOFFします。

入力0.00がONしている時間が3秒未満だと、出力1.00はONしません。

タッチパネルの動作イメージ

タッチパネルの動作イメージは以下のようになります。

例題①_タッチパネル

スイッチ(0.00)を3秒間押し続けると、ランプ(1.00)が点灯します。

ラダープログラム

ラダープログラムは以下のようになります。

例題①_ラダープログラム

0.00を入力条件とするTIMX命令を用いて、タイマT0を使用します。TIMX命令の設定値を&30にすることで、0.00が3秒間ONし続けるとT0がONします。

T0のa接点を1.00の入力条件とすることで、T0と同時に1.00がONします。

3.【例題②】100msタイマ命令(タッチパネル可変)

下記仕様のラダープログラムを100msタイマ命令を用いて解説します。

仕様
スイッチ(0.00)を設定時間押し続けると、ランプ(1.00)が点灯する。
設定時間は100ms単位でタッチパネル上のデータメモリ(D0)から変更可能とする。

【例題①】では、タイマの設定値に「&30」を指定しましたが、今回はタッチパネル上から可変できるようにタイマの設定値に「データメモリD0」を割り当てます。

タッチパネルの動作イメージ

タッチパネルの動作イメージは以下のようになります。

例題②_タッチパネル

スイッチ(0.00)をデータメモリ(D0)に「設定した時間」押し続けると、ランプ(1.00)が点灯します。

データメモリ(D0)の数値 × 100ms(0.1秒) の値が「設定した時間」となります。

ラダープログラム

ラダープログラムは以下のようになります。

例題②_ラダープログラム

TIMX命令の設定値にデータメモリ(D0)を指定することにより、0.00が「D0の値×100ms」ONし続けるとT0がONします。

4. おわりに

オムロンCJシリーズにおける100msタイマ命令について解説しました。

私の経験上、ラダープログラムでタイマを用いる場合は100msタイマを用いる場合が一番多いです。オムロンCJシリーズのタイマ命令には、他にも10msタイマ・1msタイマ・積算タイマ命令などがあります。

以下の参考書はラダープログラムの色々な「定石」が記載されており、実務で使用できるノウハウが多く解説されています。私がラダープログラムの参考書として自信をもってオススメできるものです。

ただし、ラダープログラムやPLCといった電気・制御設計は参考書やWebサイトのみでの学習には必ずどこかで限界が来ます。

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ラダープログラムの一番現実的な学習方法は「実務で経験を積む」ことです。電気・制御設計者はこれから更に必要な人材になり続けますので、思い切って転職する選択肢もあります。

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