シーケンス制御の資格について解説します。
まず把握して頂きたいことが、「この資格がなければシーケンス制御をしてはならない。」というものはありません。
しかし、このページを見て頂いているということは、学校でシーケンス制御を学習中、もしくは社会人がスキルアップのためなど何かしらシーケンス制御に携わっているからだと思います。せっかく学習しているのでシーケンス制御の資格にチャレンジをしたいと考えているからではないでしょうか?
そんな方におすすめな”技能検定”という検定がありますので、紹介したいと思います。
目次
1. 技能検定とは?
技能検定とは、技術者の技能を一定の基準によって検定し、技能の程度を証明するための国家資格です。
一口に技能検定といっても”鍛造”・”鋳造”といった金属加工関係から、”パン製造”・”菓子製造”といった食料品関係まで100職種以上の様々な職種があります。
2. 技能検定 電気機器組立て シーケンス制御
技能検定の中に”電気機器組立て”という職種があり、さらにその中に”シーケンス制御作業”というものがあります。
このシーケンス制御作業こそが、シーケンス制御の技能を試せる検定です。
シーケンス制御作業は1~3級まであります。
検定内容は大きく分けると、筆記試験と実技試験の2ヶに分けられます。
2-1. 筆記試験
学科試験は真偽法(〇×)と四択問題で出題され、それぞれ25問ずつ全50問(3級は真偽法30問)です。合格基準は100点を満点として、原則65点以上になっています。
2-2. 実技試験
実技試験は製作等作業試験と計画立案等作業試験(ペーパーテスト)に分けられます。
① 製作等作業試験
受験者が持参したパソコンとPLC(シーケンサ)を用いて、試験会場に備え付けてある試験盤を仕様通りに動作させるものです。
筆記試験、計画立案等作業試験とは別日に行われます。
② 計画立案等作業試験(ペーパーテスト)
実技試験と呼ばれていますが、試験内容は紙と鉛筆で行うものです。
ラダープログラムからタイムチャートを作成したり、SFC(シーケンシャルファンクションチャート)の作成等の問題が出題されます。
3. シーケンス制御作業を取得するメリット
私はシーケンス制御作業の1級を取得してあります。
私が取得して感じたメリットは大きく4つ紹介します。
・就活・転職に有利
・企業から優遇される
・技能士と名乗れる
・確実にラダープログラムスキルが向上する
3-1. 就活・転職に有利
私の周りの企業の話なので、全企業に有利に働くとは言えませんが、技能検定を推奨している企業は少なからず存在します。
企業の人事側も面接に来た技術者が実際どれだけスキルがあるか判断することは困難です。技能検定は国家検定で、一般の企業には十分認知されていることからも就活・転職の際に有利に働くでしょう。
3-2. 企業から優遇される
企業によっては毎月の給料に”技能手当”が付くところがあります。つまり、給料アップにつながるのです。(もちろん手当てがある企業に限りますが…)
3-3. 技能士と名乗れる
各級を取得すると、厚生労働省から”技能士”という称号を頂けます。
この技能士、たまに見かけるのですが名刺に記載している方がいます。称号を名刺に書けるとはいいことです。
因みに技能検定の実技試験・学科試験ともに合格していない状態で技能士と名乗ると法的に罰せられるので注意しましょう。
3-4. 確実にラダープログラムスキルが向上する
エンジニア関係にはよく、「資格より実務経験が大切だ!」という方がいます。
確かにその通りだとは思いますが、シーケンス制御作業は先入力優先回路やフリッカー回路といったラダープログラムの細かい”プログラム定石”を網羅的に学習することができます。(網羅していないと受かりません。)
シーケンス制御作業は基本的なプログラム定石を多く理解していないと合格することはできませんので、基礎を固めてスキルを向上させることができるのです。
4. まとめ
・技能検定の職種の中にシーケンス制御作業がある
・取得するメリットは大きい