ケーブル(電線)を端子台やリレー・PLCを始めとするFA機器に接続する場合、大半が圧着端子をケーブル末端に装着して接続します。
ケーブルに圧着端子を装着する前には、ケーブルの絶縁被覆と呼ばれる部分を剥いて(むいて)導体部分を露出させる必要があります。
このケーブルの絶縁被覆は、ナイフや包丁といった(その辺にある)刃物でそぎ落とすのではなくケーブルストリッパーと呼ばれる工具で剥くのが一般的です。※危険ですので試したりしないでください。
圧着端子を用いる場合に絶縁被覆を剥く必要があることを踏まえても、ケーブルストリッパーは配線作業において必須のツールといっても過言ではありません。
この記事では、ドイツの産業用接続機器、インターフェース製品のトップメーカーであるフエニックス・コンタクトのケーブルストリッパーを用いてケーブルの絶縁被覆を剥く方法を解説します。
ケーブルストリッパーは多くのメーカーが、色々なタイプの商品を販売しています。ケーブルストリッパーの『購入を検討している方』や『使い方がよくわからない方』にとって少しでも参考になれば幸甚です。
目次
1. 使用するケーブル・工具
今回は、機器内配線用の耐熱ビニル電線UL1007 AWG22の絶縁被覆を剥きます。
UL1007 AWG22は導体の太さがAWG22(約0.3m㎡)の電線です。
今回使用するケーブルストリッパーはフエニックス・コンタクト製のWIREFOX 2,5です。
この工具は導体断面積が0.08~2.5m㎡(AWG28~12)のケーブルの絶縁被覆を剥くことができます。
WIREFOX 2,5の仕様と実際に使用してみた感想は以下のページで紹介しておりますので宜しければご覧ください。
【⼯具レビュー】ケーブルストリッパーを使ってみた(WIREFOX 2,5)WIREFOX 2,5は”ブレード”と呼ばれる部分にケーブルを挟むことで絶縁被覆を剥きます。
ハンドルを握ることでブレードが閉じて引っ込みます。
2. ケーブルの絶縁被覆を剥く方法
それではフエニックス・コンタクト製のケーブルストリッパーWIREFOX 2,5を用いて、電線UL1007 AWG22の絶縁被覆を剥きます。
ケーブルストリッパーのリミットストップと呼ばれる部品を調整して、絶縁被覆を剥く長さを調整します。
今回はリミットストップを8mmの目盛に合わせて絶縁被覆を8mm剥くことにします。
ケーブルをリミットストップに突き当てます。
ケーブルを突き当てないと剥き量が短くなる可能性がありますので注意してください。
ケーブルをリミットストップに突き当てた状態でハンドルを握ると、ブレードが『閉じて奥に引く』ことで絶縁被覆が剥かれます。
※編集の都合でなぜかリミットストップがチカチカしてしまいました…実際に発光しているわけではありません。
これでケーブルの絶縁被覆を剥くことができました!!しっかりと約8mmに剥けています。
3. ケーブルストリッパーの注意点
ケーブルストリッパーを使用する際は以下の注意点があります。
前述しましたが、リミットストップにケーブルを突き当てないと剥き量が短くなります。数mm不足しただけで圧着端子の不良に繋がる可能性がありますので注意が必要です。
その名の通りブレードは刃物です。指の挟み込みには十分注意が必要です。
4. 工具の購入方法
今回使用したフエニックス・コンタクト製のケーブルストリッパーWIREFOX 2,5はこちらの代理店で購入することができます。
また、以下の通販サイトでも購入することが可能です。
ケーブルストリッパーは配線作業において必須のツールといっても過言ではありません。
今回解説に使用したWIREFOX 2,5はコンパクト・軽い力でハンドルを握ることができるので、私が自信をもってオススメできる工具です。ケーブルストリッパーの購入を検討中の方は個人・法人問わずぜひ参考にして頂ければと思います。