フェルール端子とは、電線(より線)を束ねる棒状の端子です。特に欧州で広く使用されており、ネジ式端子に比べて『機器の小型化』『配線作業の時間短縮』『引っ張り強さの向上』といった利点が注目され、徐々に日本国内でも使用される機会が多くなってきています。
フェルール端子は、専用の圧着工具を用いて圧着加工(カシメ)を行います。※タブ端子やY端子・丸端子用の圧着工具ではNGです。
フェルール端子の圧着工具は多くのメーカーが、色々なタイプの商品を販売していますが、今回は私がフエニックス・コンタクト製のCRIMPFOX CENTRUS 6Sを実際に使ってみた感想をレビューします。
併せて上記工具の仕様・特徴を紹介します。これからフェルール端子の圧着工具は配線作業において必須になってくると予想されますので、少しでも購入を検討されている方の参考になればと思います。
この記事中で「圧着工具」と呼ぶものはフェルール端子用の圧着工具を指します。
目次
1. CRIMPFOX CENTRUS 6Sの仕様・特徴
フエニックス・コンタクト製のCRIMPFOX CENTRUS 6Sはフェルール端子を圧着加工(カシメ)するための工具です。外観は↓のようになります。
圧着工具は圧着することができるケーブルの導体太さの範囲が決まっています。
CRIMPFOX CENTRUS 6Sの場合、圧着できるケーブルの導体断面積は以下のようになります。
最小断面積 | :0.14m㎡ |
最大断面積 | :6m㎡ |
AWG最小 | :26 |
AWG最大 | :10 |
他にも、圧着工具CRIMPFOX CENTRUS 6Sには以下のような特徴があります。
- 人間工学によるハンドル設計で快適で疲労を軽減する操作
- ハンドル幅が非常に狭く工具が手にすっぽり収まる
- 工具選択を覆うプラスチック製ガードは工具を落とした際の破損を保護
- 最適なてこの原理で操作に必要な力を30%低減
- 圧力ロックで常に高品質の圧着を実現
2. 使ってみた感想
実際にCRIMPFOX CENTRUS 6Sを用いて、電線UL1007 AWG22にフェルール端子AI 0,34-6 TQを圧着してみます。
簡単にフェルール端子を圧着することができました!
圧着工具は工具自体が大きくなるものが多いですが、CRIMPFOX CENTRUS 6Sはコンパクトです。
ハンドルは手にすっぽり収まります。コンパクトですが貧弱な訳では無く、工具としてとても堅牢な印象です。重量は379.2gです。
圧着工具の使い勝手を考える上で『握る力の強さ』はとても大切な指標です。
CRIMPFOX CENTRUS 6Sは適切なてこの原理で操作に必要な力を30%低減しており、軽い力で握ることができます。
※↑の圧着形状はイメージです。
CRIMPFOX CENTRUS 6Sで圧着されたフェルール端子は全方向から圧着され、圧着形状が四角形になります。(角形圧着)
圧着工具でフェルール端子の圧着加工をする手順は以下のページで解説しています。こちらでも今回紹介したフエニックス・コンタクト製のCRIMPFOX CENTRUS 6Sを使用しています。
【工具使い方】フェルール端子を圧着する方法(フエニックス・コンタクト)
3. 工具の購入方法
今回使用したフエニックス・コンタクト製の圧着工具CRIMPFOX CENTRUS 6Sはこちらの代理店で購入することができます。
また、以下の通販サイトでも購入することが可能です。
徐々に日本国内でも使用されることが多くなっているフェルール端子ですが、これからフェルール端子の需要はさらに伸びていくことが予想されます。
今回解説に使用したCRIMPFOX CENTRUS 6Sは、私が自信をもってオススメできる工具です。まだフェルール端子用の圧着工具を持っていない方は個人・法人問わずぜひ参考にして頂ければと思います。
おはようございます、linear_pcm0153と申します。
私は音響映像設備施工業ですが、近年、やっとフェルール圧着が定着してきました。
ドイツ発祥で規格がDINなので日本の電線規格に合ったものを国内の業者が作ってくださると助かるのですが、なかなか出ませんね。1.25m㎡、2.0m㎡の適合品は欲しい所です。※1.5、2.5でOKな事は理解しています
余談ですが、現場で職人に指示をしても、「スケアによってフェルールのサイズを変える」と言うのが理解されない傾向もあり、なかなかままならないものだな、と感じます。