キーエンスKV-Xシリーズにおける「べき乗(EXPT)FUN」は、指定したデータのべき乗を求めるファンクションです。
この記事では、キーエンスKV-X500/X300シリーズにおけるべき乗(EXPT)FUNの指令方法とラダープログラム、ST言語の例について解説します。
キーエンスKV-X500/X300シリーズでは、2~10ヶの値を乗算した結果を求める乗算(MUL)ファンクションが用意されています。乗算(MUL)ファンクションについては以下のページで解説しております。

目次
1. べき乗FUNの指令方法
べき乗(EXPT)FUNはLD表現(ラダープログラム)とST表現(ST言語)で使用することができます。

Result := EXPT(In, Pwr);
べき乗(EXPT)FUNは↓の引数で構成されています。
引数 | タイプ | データ型 | 初期値 | コメント |
---|---|---|---|---|
EN | IN | BOOL | – | イネーブル入力 |
ENO | OUT | BOOL | – | イネーブル出力 |
In※ | IN | – | – | 演算データ |
Pwr | IN | – | – | 指数データ |
Result※ | RETURN | – | – | 演算結果 |
ラダープログラム上でデバイスを指定した場合、REAL(単精度浮動小数点)型として扱われます。
LD表現
↓がLD表現で使用したラダープログラム例です。

このラダープログラムでは、演算データであるInData00のInData01乗した演算結果をOutDataに格納します。
ST表現
↓がST表現で使用したST言語例です。
OutData := EXPT(InData00, InData01);
このSTでは、演算データであるInData00のInData01乗した演算結果をOutDataに格納します。※前述のLD表現と同じ動作です。
2.【例題】変数のべき乗を求める
下記仕様のラダープログラム、STをべき乗(EXPT)FUNを用いて解説します。
変数は全て1ワード符号なし整数(UINT)型として扱う。
変数Data00のData01乗を求める処理にべき乗(EXPT)FUNを使用します。
タッチパネルの動作イメージ
タッチパネルの動作イメージは以下のようになります。

変数Data00のData01乗を常にData02に格納します。
使用する変数
使用する変数は以下になります。
変数 | データ型 | コメント |
---|---|---|
Data00 | UINT | データ00(In) |
Data01 | UINT | データ01(Pwr) |
Data02 | UINT | データ02(Result) |
ラダープログラム
ラダープログラムは以下のようになります。

演算データにData00、指数データにData01を指令したべき乗(EXPT)FUNで、演算結果をData02に格納します。
ST言語
ST言語は以下のようになります。
//Data00のData01乗をData02に格納
Data02 := EXPT(Data00, Data01);
3. おわりに
キーエンスKV-X500/X300シリーズにおけるべき乗(EXPT)FUNについて解説しました。
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