【三菱FXシリーズ】タイマ(T)の機能と動作例

00_【三菱FXシリーズ】タイマ(T)の使用方法とラダープログラム例

ラダープログラムにおけるタイマとは、入力条件がONしている時間をPLC内部で加算し、設定値に達すると接点が動作するデバイスです。

三菱電機製のPLCであるFXシリーズでは、タイマは T と表記します。

この記事では、三菱FXシリーズにおける使用できるタイマのデバイス番号タイマの種類について解説します。

注意
この記事中の三菱FXシリーズは、PCタイプがFX3S・FX3G・FX3GC・FX3U・FX3UCのPLCを指します。

1. 使用できるタイマのデバイス番号

三菱FXシリーズの場合、使用できるタイマのデバイス番号はPCタイプによって相違があり、指定するタイマ番号によって機能が異なります。

メモ
PCタイプとは、三菱電機製のPLC(シーケンサ)の型式のことです。

FX3Sシーケンサ

FX3Sシーケンサで使用できるタイマ番号は以下のようになります。

T0~T62:100ms形
T32~T62:100ms形 / 10ms形(M8028にて切替)
T63~T127:1ms形
T128~T131:1ms積算形
T132~T137:100ms積算形

T32~T62は、特殊デバイスのM8028のON/OFFの状態により100ms形または10ms形で切替わります。

FX3G・FX3GCシーケンサ

FX3G・FX3GCシーケンサで使用できるタイマ番号は以下のようになります。

T0~T199※:100ms形
T200~T245:10ms形
T246~T249:1ms積算形
T250~T255:100ms積算形
T256~T319:1ms形

T192~T199はルーチンプログラム用のタイマとして使用します。

FX3U・FX3UCシーケンサ

FX3U・FX3UCシーケンサで使用できるタイマ番号は以下のようになります。

T0~T199※:100ms形
T200~T245:10ms形
T246~T249:1ms積算形
T250~T255:100ms積算形
T256~T511:1ms形

T192~T199はルーチンプログラム用のタイマとして使用します。

FX3G・FX3GCシーケンサに比べ、1ms形の点数が多くなります。

2. タイマの機能と動作例

上記の表では、100ms形1ms積算形など様々な種類のタイマを紹介しました。それぞれのタイマの機能を解説します。

メモ
1msとは0.001秒のことで、ミリセカンドやミリセックと呼びます。

一般形100ms形(積算しない)

上記の表で、単に『〇〇ms形』のように積算形と表記されていないものに関しては、積算しない一般形と呼ばれるタイマです。

以下のラダープログラムを用いて解説します。(FX3Gの場合)

20_一般形タイマのラダープログラム

このラダープログラムは『入力リレーX0が3秒以上ONし続けると、出力リレーY0がONする』ものです。

3秒をカウントするためにタイマT5を使用しており、Kから始まる設定値はK30と指定してあります。

上表から、FX3G・FX3GCシーケンサにおけるタイマT0~T199は100ms形であり、この範囲内にあるタイマT5は100ms形となります。

つまり、100msタイマの設定をK30にすることで、30 × 100ms = 3000ms(3秒)となります。

以下はGX Works2で各デバイスをモニタした様子です。

20_一般形タイマのモニタ

※各デバイスはON状態になると青色になります。

入力リレーX0がONすることで、タイマT5がカウントを開始します。タイマT5の設定値はK30(3秒)になっており、カウント中の現在値がT5のコイル部分に青字で表示されています。

タイマT5の現在値が設定値である30に到達すると、タイマT5のa接点はONして出力リレーY0がONします。

そして、入力リレーX0がOFFになるとタイマT5の現在値は必ず”0”に戻ります。タイマの現在値が設定値に達している場合、タイマのa接点もOFFになります。

一般形10ms・1ms形(積算しない

積算しない一般形のタイマ10ms形と1ms形を解説します。(まとめて解説させて頂きます。)

FX3G・FX3GCシーケンサの場合、10ms形はT200~T245、1ms形はT256~T319となります。

10ms形のタイマを用いたラダープログラムは以下のようになります。(FX3Gの場合)

21_一般形タイマのラダープログラム

FX3G・FX3GCシーケンサの場合、タイマT230は10ms形のタイマになります。

タイマT230の設定はK300を設定されていますので、300 × 10ms = 3000ms(3秒)となります。

つまり、このラダープログラムも『入力リレーX0が3秒以上ONし続けると、出力リレーY0がONする』動作をします。

メモ
タイマの設定値が同じでも、使用するタイマの”形”が異なればONする時間が異なります。

積算形(100ms形・1ms形)

積算形のタイマは、入力条件をOFFしても現在値が”0”にならないタイマです。

以下のラダープログラムを用いて解説します。(FX3Gの場合)

22_積算形タイマのラダープログラム

このラダープログラムは『入力リレーX0が2秒以上ONし続けると、出力リレーY0がONして、X1がONされるまでY0がONし続ける』ものです。

FX3G・FX3GCシーケンサの場合、タイマT255は100ms積算形のタイマになります。

以下はGX Works2で各デバイスをモニタした様子です。

22_積算形タイマのモニタ

入力リレーX0がONすることで、タイマT255がカウントを開始します。タイマT255の設定値はK20(2秒)になっており、現在値がT255のコイル部分に青字で表示されています。

タイマT255の現在値が設定値である20に到達すると、タイマT255のa接点はONして出力リレーY0がONします。※ここまでは一般形と同じ動作をします。

入力リレーX0がOFFになると、タイマT255の現在値はカウントをストップしますが一般形とは違い”0”に戻りません。 タイマの現在値が設定値に達している場合、タイマのa接点もOFFになりません。

積算形のタイマの場合、リセット(RST)命令を用いて現在値を”0”に戻します。

メモ
積算形タイマを用いる場合、基本的にリセット(RST)命令をセットで使用します。

3. おわりに

この記事では、三菱FXシリーズにおける使用できるタイマのデバイス番号タイマの種類について解説しました。

使用するPCタイプによって使用できるデバイス番号が異なり、タイマ番号によって機能が異なりますのでご注意ください。

まとめ
  • 三菱FXシリーズの中でもPCタイプによって使用できるタイマ番号が異なる
  • 一般形のタイマは入力条件をOFFすると現在値が”0”に戻る
  • 積算形のタイマは入力条件をOFFしても現在値が”0”に戻らない
  • タイマの”形”によって設定値が同じでもONする時間が異なる

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