NOT回路とは、入力条件がOFFのときに出力がONする回路です。逆に、入力条件がONのときに出力はOFFします。出力が入力条件の状態と逆になることから否定回路とも呼ばれています。
リレー回路におけるNOT回路を用いることでスイッチが押されていないとき、ランプが点灯する回路などが組めるようになります。 このNOT回路はリレー回路(及びラダープログラム)で頻繁に使用する「非常に大切な回路です。この記事でNOT回路について理解を深めて頂ければ幸甚です。この記事では、リレー回路で作る「NOT回路」の回路図と動作を解説します。
目次
1.作成するNOT回路の仕様
以下の仕様のNOT回路を作成します。
スイッチ(緑)を押しているとき、ランプ(緑)は消灯する。
入力条件がスイッチ(緑)、出力がランプ(緑)になります。
2.NOT回路の回路図
NOT回路の回路図は以下のようになります。
今回はNOT回路はリレー(継電器)を使用します。
回路図の解説(一連のイメージ)
スイッチ(緑)を押していないとき、スイッチ(緑)のa接点はOFF(開放)しています。この状態ではリレーのコイルには電流は流れていません。
リレーのコイルに電流は流れていないので、リレーのb接点はON(導通)します。
リレーのb接点はON(導通)すると、ランプ(緑)に電流が流れて点灯します。
スイッチ(緑)を押すと、スイッチ(緑)のa接点はON(導通)します。この状態ではリレーのコイルに電流が流れます。
リレーのコイルに電流が流れてONすると、リレーのb接点はOFF(開放)します。
リレーのb接点はOFF(開放)すると、ランプ(緑)に電流が流れずに消灯します。
このように、入力条件(今回はスイッチ)をリレーを用いてb接点を経由することで、入力条件がOFFしているときのみ出力がONする(逆の動作をする)回路を作ることができます。
3.使用する部品
このNOT回路を作成するため、以下のものが必要です。
- 押しボタンスイッチ(a接点有)
- ランプ
- リレー(b接点有)
- スイッチング電源
私が作成した回路はDC24Vを電源とする回路です。スイッチング電源は24Vを使用しました。
配線の様子です。上記の回路図に則り配線してあります。
4.実際の動作
記事冒頭のGIFと重複しますが、実際の動作は以下のようになります。
スイッチ(緑)を離しているときのみ、ランプ(緑)が点灯します。
5.おわりに
リレー回路で作る「NOT回路」の配線と動作を解説しました。
NOT回路は、リレー回路とラダープログラムにおける基礎中の基礎になります。
「b接点」はコイルがON(励磁)のときにOFFするもので、特に初学者にとって混乱するポイントだと思います。「b接点は逆の動きをするものだ!」と覚えておけばOKだと思います。
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