データレジスタとは、数値データを格納することができるデバイスです。
三菱電機製のPLCでは”D”と表されています。
この記事では、データレジスタの概要と使用例を解説します。
PLCは三菱電機製シーケンサ:FX3G-60MT/ESS、ラダープログラムはソフトウェア:GX Works2を使用します。
目次
1. データレジスタの概要
1点のデータレジスタは、16ビットデータで構成されており、
最上位ビット(15ビット目)は符号ビットとして扱われます。
データレジスタの各ビットデータは0か1のどちらかになります。
上の表では、2・4・6・7ビット目に”1″が立っていたので212になります。
(よくわからない方は、2進数から10進数の変換で検索してみてください。)
表されるものを”ビットデバイス”と呼びます。
対して、データレジスタ(D)のように数値データを格納できるものは
“ワードデバイス”と呼びます。
2. ラダープログラムでの使用方法
データレジスタを使用するラダープログラムの例題を解説します。
2-1. データレジスタに定数を格納
X0がOFFすると、D0は”0″に戻る。
【解説】
MOVとは転送命令です。左側の数値データ(またはデバイスの値)を右側のデバイスに転送します。
ラダープログラム一行目は、X0がONしている間、定数”100″をデータレジスタD0に転送するプログラムです。
2行目は、X0がOFFしている間、定数”0″をデータレジスタD0に転送するプログラムです。
データレジスタに一度格納された数値データは、新たに別の数値データを書き込まれるまで保持されます。上のラダープログラムの2行目がなければ、X0がOFFしてもD0には定数”100″が格納され続けます。
一般的に、データレジスタに数値データを転送する場合は、入力条件が同時
にONしないようにします。
2-2. データレジスタの値を比較する
X1がONすると、データレジスタD0に定数”10”を格納する。
X2がONすると、データレジスタD0に定数”20”を格納する。
D0が”0”のとき、Y0がONする。
D0が”10”のとき、Y1がONする。
D0が”20”のとき、Y2がONする。
【解説】
3行目までは、MOV命令でD0に定数を格納しています。
4行目以降は、接点形比較命令の1ヶで”左側の数値データと右側のデバイス”の値が一致した時にONする命令です。
今回は左側に定数、右側にデータレジスタにしましたが、逆でも問題ありません。
6行目の場合、D0に定数”20”が格納されている時にONします。
3. おわりに
データレジスタを用いることにより、ON/OFFで記述すると膨大な量だったラダープログラムを短く、さらに見やすくすることが可能になります。
・入力条件がOFFしても、格納された数値データは保持される
・データレジスタを用いると、複雑な制御が可能となる