【ラダープログラム基礎】そもそもラダープログラムとは?

【ラダープログラム基礎】そもそもラダープログラムとは?

ラダープログラムとは、主にPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)を制御するプログラミング言語のことです。

PLCとは、工場設備産業機械を制御するために使用されるケースが多いことから、ラダープログラムも主に製造業で頻繁に使用されています。

逆にいうと、日常生活でPLCやラダープログラムに携わる方は極めて少なく、ラダープログラムと聞いたことがある方でも「どのようなプログラム言語なのか?」「どのように学ぶことが望ましいか?」挙げればキリが無いくらい疑問を持たれる方が大半です。

この記事では、ラダープログラムとはどのようなプログラミング言語なのか?を簡潔ではありますが解説します。少しでもラダープログラムについてイメージを膨らませて頂くことができれば幸甚です。

1. ラダープログラムは梯子(はしご)のような見た目

ラダー(Ladder)とは、直訳すると梯子(はしご)という意味です。あの農作業や工事現場で人がよじ登る梯子(はしご)です。

10_梯子

ラダープログラムは、この「梯子(はしご)を作るためのプログラム。」…という訳ではなく、ラダープログラムが梯子のような見た目をしていることが名前の由来です。

以下は実際のラダープログラムです。

10_ラダープログラム

このラダープログラムは三菱電機のGX Works2というアプリケーションで作成したものです。※このラダープログラムの意味をここで理解する必要はありません。

左右に2本線があり、何となく梯子(はしご)のような見た目をしていませんか?「言われてみれば…何となく。」という感じだと思います。

このように(少し無理やりですが)、ラダープログラムは梯子(はしご)のような見た目をしたプログラミング言語です。

メモ
ラダープログラムは別名「ラダー・ダイアグラム」や「ラダー・ロジック」「ラダー図」など色々な呼び方が存在しています。

ラダープログラムで使用する記号に関しては以下のページで解説しておりますので、宜しければご覧ください。

00_【ラダープログラム基礎】ラダープログラムの記号を解説-1【ラダープログラム基礎】ラダープログラムの記号を解説(接点やコイル)

次項では「なぜラダープログラムが梯子のような形をした」プログラムであるかを解説します。

2. リレー回路をベースに作られたプログラミング言語

ではラダープログラムはなぜ梯子(はしご)のような見た目なのでしょうか?

プログラミング言語というと、C言語・Java・Python…といったテキストとして記述されたものをイメージされる方が大半だと思います。

20_プログラミング言語

ラダープログラムはこれらのプログラミング言語とは明らかに見た目が異なります。

これは元々ラダープログラムはリレー回路をベースに作られたプログラミング言語だからです。

リレー回路とは、リレー(継電器)と呼ばれる機器等を用いて構成される電気回路でのことで、回路図は以下のようなものです。

20_リレー回路

このリレー回路は、スイッチ、ランプ、そしてリレー(継電器)で構成される電気回路で、こちらも梯子(はしご)のような見た目をしています。

構成されている記号は異なりますが、リレー回路と同じような考え方でプログラミングすることができるのがラダープログラムです。

リレー(継電器)については以下のページで解説しておりますので、宜しければご覧ください。

00_リレーとは?リレー(継電器)とは?構造と動作を解説

3. ラダープログラムの用途

ここまで、ラダープログラムは梯子(はしご)のような見た目で、リレー回路を元に作られたプログラミング言語と解説しました。

ではこのラダープログラムは一体どのような場所に、どのような用途で使われているのでしょうか?

ラダープログラムは、主にPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)という制御機器を動かすために使用されるプログラミング言語です。

メモ
PLCは別名「シーケンサ」とも呼ばれています。シーケンサは元々三菱電機製PLCの商品名でしたが、現代ではPLCをシーケンサと呼ぶ方も多く存在します。

以下は三菱電機、キーエンス、オムロン製のPLCです。

30_各社PLC

このPLCは、工場設備産業機械を制御するための制御機器で、いわば機械の脳みそに相当するものです。つまり、PLCなくして製造業は成り立たない!と言えます。(大げさではありません)

実は、PLCはラダープログラム以外にも制御することができる言語がいくつか存在します。しかし、現在(2021年4月)の日本国内におけるPLCを制御するプログラミング言語はラダープログラムが大多数を占めている現状です。

メモ
PLCを制御する言語にはラダープログラムの他に、SFC(シーケンシャル・ファンクション・チャート)やST言語(ストラクチャード・テキスト)といった言語が存在します。

4. ラダープログラムを作るためのアプリケーション(ソフト)

ラダープログラムは主にPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)を制御するためのプログラミング言語と解説しました。

このPLCは、国内においては三菱電機、キーエンス、オムロンなどの機器メーカが販売しており、ラダープログラムを作成するためのアプリケーションはPLCを販売している各メーカが販売しています。

このアプリケーションはパソコンにインストールして使用するものが大半ですが、残念ながらいずれのアプリケーションも結構高額で、気軽に手に入れることができずに「学習することを諦めてしまう」方が多いのが現状です。

確かに、ラダープログラムの学習を進める上で、必ずどこかのタイミングでラダープログラム作成用のアプリケーションPLC本体が必要になります。

ただ、ラダープログラムの基礎部分は机上で学ぶことができます。当サイトでも、なるべく初学者に向けたコンテンツを増やしていきたいと思います。

ラダープログラムを解説している書籍も数多くあり、私がオススメするものを以下のページで紹介しておりますので、宜しければご覧ください。

00_シーケンス制御・ラダープログラム初心者にオススメな参考書5冊シーケンス制御・ラダープログラム初心者にオススメな参考書5冊

もちろん、私が実際に読んでオススメできるもののみを紹介しています。

5. おわりに(まとめ)

ラダープログラムがどのようなプログラムなのか?簡単ではありますが解説しました。

まとめ
  • ラダープログラムは梯子(はしご)のような見た目のプログラミング言語
  • 元々はリレー回路をベースに作られた
  • ラダープログラムは主にPLCを制御するためのプログラム

以下の参考書は、シーケンス制御について易しく解説しているものです。

シーケンス制御とは?から始まり身近な使用例や世の中のどのようなところに活用されているか、専門的な用語をほとんど使用することなく解説しています。

見やすいイラストが充実しており、スラスラと読めると思います。

本書の後半では三菱電機製のシーケンサを用いて簡単なラダープログラムについても解説しています。

シーケンス制御の全くの初心者に是非オススメしたい参考書です。

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