【三菱Qシリーズ】データ最小値検索(MIN)命令の指令方法とラダープログラム例

データ最小値検索命令を用いることにより、指定したデバイスの中から最小値とその位置・個数を検索して「最小値はどのデバイスで最小の値は幾つなのか」明確にすることができます。

この記事では、三菱電機製シーケンサQシリーズにおけるデータ最小値検索命令の指令方法とラダープログラム例について解説します。

1. データ最小値検索命令の指令方法

データ最小値検索命令には、4種類の指令方法があります。

• MIN：16ビット連続実行形
• MINP：16ビットパルス実行形
• DMIN：32ビット連続実行形
• DMINP：32ビットパルス実行形

MINはその名の通り「最小」からきています。

MIN：16ビット連続実行形（基本の形）

16ビット連続実行形のデータ最小値検索命令は”MIN”と指令します。

こちらがMIN命令を使用したラダープログラム例です。

このラダープログラムでは、X0がONしたときにD0~D4の5ワードに対して、最小値検索を行います。

検索した結果、最小値をD10・最小値の位置をD11・最小値の個数をD12に格納します。位置と個数については例題①で詳しく解説します。

MINP：16ビットパルス実行形

16ビットパルス実行形のデータ最小値検索命令は”MINP”と指令します。

こちらがMINP命令を使用したラダープログラム例です。

連続実行形(MIN命令)との違いは「入力条件X0がONしたときに1回だけ処理が実行される。」ことです。

DMIN・DMINP：32ビット実行形

32ビット連続実行形のデータ最小値検索命令は”DMIN”と指令します。

32ビットパルス実行形のデータ最大値検索命令は”DMINP”と指令します。

こちらがDMIN・DMINP命令を使用したラダープログラム例です。

このラダープログラムでは、D0~D9の5ヶのダブルワードに対して、最小値検索を行います。 ※ダブルワードは2ヶのワードデバイスを1ヶの32ビットデバイスとして扱うことです。

検索した結果、最小値をD10/D11・最小値の位置をD12・最小値の個数をD13に格納します。

2. 【例題①】常に最小値を検索する

下記仕様のラダープログラム例について解説します。

常時ONさせるために、Qシリーズの特殊デバイスである”SM400”のa接点を使用します。SM400は常時ONするデバイスです。

GOTの動作イメージ

GOTの動作イメージは以下のようになります。

GOTからD0～D4を入力することができ、常に最小値をD10～D12に格納します。

ラダープログラム

ラダープログラムは以下のようになります。

入力条件は常時ONする特殊デバイスのSM400を使用します。

最小値の検索元の先頭デバイスのD0を指定して、対象がD0～D4の5ワードのためK5としています。

最小値の格納先にD10を指定することにより、D10～D12に最小値とその位置・個数を格納します。

3. 【例題②】スイッチが押されたときのみ最小値を検索する

下記仕様のラダープログラム例について解説します。

GOTの動作イメージ

GOTの動作イメージは以下のようになります。

スイッチ(X0)が押された時のみ最小値を検索します。

ラダープログラム

ラダープログラムは以下のようになります。

【例題①】との違いは入力条件をスイッチ(X0)にしたことです。

4. おわりに

データ最小値検索命令について解説しました。

命令としてはそこまで頻繁に使用する機会はないかもしれません。

活用方法は例えば「加工品の計測結果を格納して最小値は何個目に発生したか？」「操作する回数が最小のコマンドは何か？」といったものが思いつきます。

対を成すデータ最大値命令については以下のページで解説しておりますので、宜しければご覧ください。

【三菱Qシリーズ】データ最大値検索(MAX)命令の指令方法とラダープログラム例

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