【ラダープログラム基礎】ラダープログラムのa接点とb接点とは?

00_【ラダープログラム基礎】ラダープログラムのa接点とb接点とは?

ラダープログラムには『接点』と呼ばれる要素があり、ラダープログラムでは非常に多く使用します。

ラダープログラムにおける接点は、大きく分けると『a接点』と『b接点』の2種類があります。

リレー回路の知識がある方にとって、接点に『a接点』と『b接点』があることは至極当然のことですが、ラダープログラム・リレー回路の初学者にとっては馴染みが少ないかと思います。

この記事ではラダープログラム初学者に向けた「ラダープログラムにおけるa接点とb接点とは何なのか?」を解説します。

a接点とb接点について理解して頂ければ幸甚です。

注意
この記事では、三菱電機製のソフトウェアGX Works2を解説に使用しています。

1. ラダープログラムのa接点とは?

ラダープログラムにおけるa接点とは、リレーのコイルがONしたときにONする接点のことです。

これだけ聞くと「うーん…どうゆうこと?」と思うかもしれませんので、以下のラダープログラムを見ながら解説します。

1-1. 【a接点の動作例①入力リレー

以下の仕様のラダープログラムについて解説します。

仕様
入力リレー(X0)がONすると、出力リレー(Y0)がONする。

このラダープログラムは以下のようになります。

a接点のラダープログラム

このラダープログラムの入力リレー(X0)がa接点です。

以下がa接点の記号です。

a接点の記号

※緑色「入力リレー」の文字はデバイスコメントと呼ばれるもので動作に関係はありません。

この解説のみだと「だから何だ?」という状態かと思います。次項でもう一つだけa接点について解説します。

1-2. 【a接点の動作例②】補助リレー

以下の仕様のラダープログラムについて解説します。

仕様
入力リレー(X0)がONすると、出力リレー(Y0)がONする。
入力リレーと出力リレーは、補助リレーを経由する。

「おいおい…一体何を言っているんだい…」と思う方!私の文章力不足です。安心してください。

三菱電機製シーケンサの場合、補助リレーと呼ばれる「シーケンサ内で使用することが出来るリレー」があります。この補助リレーは”M”で表されます。

このラダープログラムは以下のようになります。

a接点のラダープログラム

「入力リレー(X0)がONすると、出力リレー(Y0)がONする。」という仕様は1.1項 で解説したラダープログラムと同様です。

このラダープログラムでは、入力リレー(X0)のa接点で補助リレー(M0)がONします。補助リレー(M0)がONすると、補助リレー(M0)のa接点がONして出力リレー(Y0)がONします。

結果的に「入力リレー(X0)がONすると、出力リレー(Y0)がONする。」回路になります。

2. ラダープログラムのb接点とは?

ラダープログラムにおけるb接点とは、リレーのコイルがOFFしたときにONする接点のことです。

言い換えると、ON/OFFするタイミングがa接点と逆になります。

1-1. 【b接点の動作例①】入力リレー

それでは、先ほど1.1項と対になる以下のラダープログラムについて解説します。

仕様
入力リレー(X0)がOFFすると、出力リレー(Y0)がONする。

このラダープログラムは以下のようになります。

このラダープログラムの入力リレー(X0)がb接点です。

以下がb接点の記号です。

b接点の記号

このb接点の記号は、a接点に対して「右上から左下に掛かる斜線」があります。

b接点はa接点に比べるとややこしく感じるかと思います。(解説も手こずっています…)次項で補助リレーを用いてもう少しb接点について解説します。

2-2. 【b接点の動作例②】補助リレー

次に、先ほど1.2項と対になる以下のラダープログラムについて解説します。

仕様
入力リレー(X0)がOFFすると、出力リレー(Y0)がONする。
入力リレーと出力リレーは、補助リレーを経由する。

先ほどと同様に補助リレー(M0)を使用します。

このラダープログラムは以下のようになります。

a接点のラダープログラム

このラダープログラムでは、入力リレー(X0)のa接点で補助リレー(M0)がONします。補助リレー(M0)がONすると、補助リレー(M0)のb接点が”OFF”します。

言い換えると、入力リレー(X0)がOFFの場合は補助リレー(M0)がOFFします。補助リレー(M0)がOFFのとき、補助リレー(M0)のb接点はONして出力リレー(Y0)がONします。

ややこしいですね…解説していて本当に思います。

最後に、次項で動作を見ながら解説します。

3. a接点とb接点の動作

a接点とb接点を両方使用した以下のラダープログラムについて解説します。

仕様
入力リレー(X0)がONのとき、出力リレー(Y0)がONする。
入力リレー(X0)がOFFのとき、出力リレー(Y1)がONする。

このラダープログラムは以下のようになります。

ラダープログラム例

このラダープログラムでは、入力リレー(X0)のa接点で補助リレー(M0)がONします。

補助リレー(M0)がONすると、補助リレー(M0)のa接点がONして出力リレー(Y0)がONします。

補助リレー(M0)がOFFすると、補助リレー(M0)のb接点がONして出力リレー(Y0)がONします。

GX Works2ではラダープログラムをモニタすることが可能です。以下がラダープログラムをモニタした様子です。青い状態の接点・コイルがONしていることを表しています。

↓入力リレー(X0)がONしたとき

↓入力リレー(X0)がOFFしたとき

補助リレー(M0)のa接点とb接点が逆の動作をしていることが確認できます。

4. おわりに

ラダープログラムにおけるa接点とb接点について解説しました。

ラダープログラムを作成する際、接点は非常に多く使用します。b接点は性質上ややこしく感じるかと思いますが「a接点と逆の動作をする」と考えると覚えやすいかと思います。

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