OR回路と同じ動作 NORインバース回路

00_OR回路と同じ動作 NORインバース回路

NORインバース回路とは、OR回路と同じ動作をする回路です。

注意
NORインバース回路とは、一般的な名称ではありません。
私が付けた造語になります。

OR回路は入力条件が多くなればなるほど、ラダープログラムとしては縦に長くなります。入力条件を一つの画面で見るためにはスクロールする手間がかかってしまいます。

NORインバース回路を使用することで、縦に長くないコンパクトにまとまったOR回路と同じ動作をする回路を作ることができます。

この記事では、NORインバース回路について解説します。

この記事中のPLCは三菱電機製シーケンサ:FX3G-60MT/ESS、ラダープログラムはソフトウェア:GX Works2を使用しています。

1. 基本的なOR回路の形

OR回路を組む場合、おそらく下のラダープログラムのように組む方が多いと思います。

OR回路(入力3ヶ)のラダープログラム

入力条件が3ヶの場合、見づらさは特に感じません。

OR回路(入力8ヶ)のラダープログラム

入力条件が多くなると、1つの画面には収まらなくなります。

また、PLCによってはOR回路の入力条件の数に制限があるものがあります。


2. NORインバース回路の形

OR回路と同じ動作をする、NORインバース回路の解説をします。なぜNORインバースと呼ぶか、後ほど解説します。

こちらがNORインバース回路のラダープログラムです。

初見だと、「なんだこれ?」と思うかもしれませんが、これはOR回路と同じ動作をします。

【解説】
OR回路を反転させると、NOR(否定論理和)回路になります。
言い換えれば、NOR回路の反転もOR回路になります。

NOR回路とは、入力条件のいずれか1ヶでもONする(1になる)と、出力条件がOFFする(0になる)回路です。

NOR回路の真理値表
NOR回路のラダープログラム

OR回路を作るためには、NOR回路を反転させます。

NOR回路を反転

ラダープログラムで反転させるには、インバース命令を使用します。

NOR回路を反転

インバース命令は、直前まで(ラダープログラムの左側)の結果を反転させます。このラダープログラムでは、NOR回路を反転させてOR回路にしています。

長々と解説させて頂きましたが、一言でいうとNOR回路を反転させてOR回路にする!だけの内容です。


3. NORインバース回路の例題

下記仕様をNORインバース回路を用いて解説します。

仕様
スイッチ(X0)~スイッチ(X7)の計8ヶのスイッチの中で、
いずれか1ヶでも押されるとランプ(Y0)が点灯する。
ラダープログラム

【解説】
X0~X7のa接点を並列で組む回路と同じ動作になります。入力条件が増えてきても、このNORインバース回路であれば縦長になることはありません。


4. おわりに

NORインバース回路について解説しました。

繰り返しになりますが、NORインバース回路とは一般的な名称ではありませんのでご注意ください。

初見でNORインバース回路を見ると、「なんだこれ?否定しすぎだろ…」と感じると思います。あまり深く考えずに、この形はOR回路と同じ!と覚えてしまうのがよいと思います。

最後に、私の経験上この回路はそこまで珍しいものではありません。OR回路は徹底してこの組み方をする方も見かけます。

以下の参考書はラダープログラムの色々な「定石」が記載されており、実務で使用できるノウハウが多く解説されています。私がラダープログラムの参考書として自信をもってオススメできるものです。

ただし、ラダープログラムやPLCといった電気・制御設計は参考書やWebサイトのみでの学習には必ずどこかで限界が来ます。

各メーカが販売しているPLCやプログラム作成のアプリケーションを揃えるには安くても十万円以上の大きな費用が掛かり、独学は現実的ではありません。

ラダープログラムの一番現実的な学習方法は「実務で経験を積む」ことです。電気・制御設計者はこれから更に必要な人材になり続けますので、思い切って転職する選択肢もあります。

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