【オムロンCJ】カウンタ(CNT・CNTX)命令の指令方法とラダープログラム例

00_【オムロンCJ】カウンタ(CNT・CNTX)命令の指令方法とラダープログラム例

オムロンCJシリーズにおける「カウンタ」命令とは、カウンタと呼ばれるデバイスを用いてカウンタの入力条件がONした回数をカウントするラダープログラム命令です。

この命令を用いたカウンタは、入力条件がONするたびにカウンタの現在値が減算され、カウンタの現在値が”0”になるとカウントアップフラグがONします。

この記事では、オムロンCJシリーズにおけるカウント命令の指令方法ラダープログラム例について解説します。

注意
この記事のラダープログラムはCX-Programmer Ver. 9.63で作成しており、PLC機種はCJ2Mに設定してあります。
注意
オムロンCJシリーズにおいてカウンタ命令は、CJ2H-CPU6□-EIP、CJ2H-CPU6□、CJ2M-CPU□□、CJ1□-CPU□□□-□で使用可能です。その他の機種についてはマニュアルを参照してください。

1. カウンタ命令の指令方法

カウンタ命令には、2種類の指令方法があります。

命令文内容
CNTBCDのカウンタ命令
CNTXBINのカウンタ命令

CNT(BCD)命令の場合、設定値に#0000~9999を指定することができます。(0~9999回)

CNTX(BIN)命令の場合、設定値に10進&0~65535、または16進#0000~FFFFを指定することができます。(0~65535回)

CNT:BCDのカウンタ命令

カウンタ命令は”CNT”と指令します。

こちらがCNT命令を使用したラダープログラム例です。

10_CNT命令

このラダープログラムは、0.00がONするたびカウンタC0の現在値が減算され、C0の現在値が”0”になるとカウントアップフラグがONします。

CNT命令内で設定値は#3と指定されているため、0.00が3回ONすると現在値が”0”になります。

現在値が”0”、つまりC0のカウントアップフラグがONするとC0のa接点がONします。

0.01がONすると、カウンタC0の現在値は設定値まで戻り、カウントアップフラグはOFFになります。

メモ
カウント入力(↑だと0.00)、リセット入力(↑だと0.01)がONしている長さは関係ありません。

↓がCNT命令で設定値を#3にしたラダープログラム動作です。

10_CNT命令解説

先ほどのラダープログラムはCX-Programmerの回路上で CNT 0 #3 と入力してEnterキーを押すと命令が挿入されます。 ※スマートインプットモードの場合

10_命令挿入

併せて、リセット入力の0.01も挿入しています。

CNTX:BINのカウンタ命令

BINのカウンタ命令は”CNTX”と指令します。

こちらがCNTX命令を使用したラダープログラム例です。

11_CNTX命令1

このラダープログラムは、0.00がONするたびカウンタC0の現在値が減算され、0.00が10回ONするとカウントアップフラグがONします。&3に設定すれば先ほどのCNT命令で解説したラダープログラムと同じ動作です。

CNTX命令の設定値で、頭文字に「&」を付けると10進数の0~65535を指定することができます。


11_CNTX命令1

このラダープログラムは、0.00がONするたびカウンタC0の現在値が減算され、0.00が「16回」ONするとカウントアップフラグがONします。

CNTX命令の設定値で、頭文字に「#」を付けると設定値は16進数となり、今回の設定値である#10(16進数)は10進数に変換すると16になります。

CNTX命令の設定値で、頭文字に「#」を付けると16進数の0000~FFFFを指定することができます。

↓がCNTX命令で設定値を&10(10進数)にしたラダープログラム動作です。

11_CNTX命令解説1

↓がCNTX命令で設定値を#10(16進数)にしたラダープログラム動作です。

11_CNTX命令解説2

※カウンタの現在値は10進数表示にしてあります。

2.【例題①】カウンタ命令(3回固定)

下記仕様のラダープログラムをカウンタ命令を用いて解説します。

仕様
スイッチ(0.00)を3回押すと、ランプ(1.00)が点灯する。 スイッチ(0.01)を押すと、ランプ(1.00)は消灯するとともにスイッチ(0.00)が押された回数をリセットする。

スイッチ(0.00)を押された回数をカウントするため、カウンタ命令の設定値を”3”にして使用します。

タイムチャート

タイムチャートは以下のようになります。

例題①_タイムチャート

0.00が3回ONすると、1.00がONします。

0.01がONすると、1.00がOFFするとともに0.00がONした回数がリセットします。

タッチパネルの動作イメージ

タッチパネルの動作イメージは以下のようになります。

例題①_タッチパネル

スイッチ(0.00)を3回押すと、ランプ(1.00)が点灯します。

スイッチ(0.01)を押すと、ランプ(1.00)は消灯するとともにスイッチ(0.00)が押された回数をリセットします。

ラダープログラム

ラダープログラムは以下のようになります。

例題①_ラダープログラム

0.00をカウンタ入力条件とするCNTX命令を用いて、カウンタC0を使用します。CNTX命令の設定値を&3にすることで、0.00が3回ONするとC0がONします。

0.01をCNTX命令のリセット入力とすることで、0.01がONするとC0はリセットされます。

C0のa接点を1.00の入力条件とすることで、C0と同時に1.00がONします。

3.【例題②】カウンタ命令(タッチパネル可変)

下記仕様のラダープログラムをカウンタ命令を用いて解説します。

仕様
スイッチ(0.00)を設定回数押すと、ランプ(1.00)が点灯する。 スイッチ(0.01)を押すと、ランプ(1.00)は消灯するとともにスイッチ(0.00)が押された回数をリセットする。
設定回数はタッチパネル上のデータメモリ(D0)から変更可能とする。

【例題①】では、カウンタの設定値に「&3」を指定しましたが、今回はタッチパネル上から可変できるようにカウンタの設定値に「データメモリD0」を割り当てます。

タッチパネルの動作イメージ

タッチパネルの動作イメージは以下のようになります。

例題②_タッチパネル

スイッチ(0.00)をデータメモリ(D0)に「設定した回数」押すと、ランプ(1.00)が点灯します。

スイッチ(0.01)を押すと、ランプ(1.00)は消灯します。

ラダープログラム

ラダープログラムは以下のようになります。

例題②_ラダープログラム

CNTX命令の設定値にデータメモリ(D0)を指定することにより、D0の数値の回数0.00がONするとC0がONします。

4. おわりに

オムロンCJシリーズにおけるカウンタ命令について解説しました。

カウンタ命令は「ワークを検出した回数」や「自動運転を起動した回数」等、ラダープログラムを作成する上で回数を数える用途として頻繁に使用する命令です。

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