【三菱Qシリーズ】ビットデバイス出力反転(FF)命令の指令方法とラダープログラム例

00_【三菱Qシリーズ】ビットデバイス出力反転(FF)命令の指令方法とラダープログラム例

「ビットデバイス出力反転」命令とは、三菱電機製シーケンサQシリーズにおける指定したビットデバイスのON/OFF状態を反転させるラダープログラム命令です。

ビットデバイス出力反転命令を用いることにより「スイッチが押されるたびにランプの点灯/消灯が切替わる回路」や「一定周期でランプが点滅するフリッカー回路」を簡単に作ることができます。

この記事では、三菱電機製シーケンサQシリーズにおけるビットデバイス出力反転命令の指令方法とラダープログラム例について解説します。

同じ三菱電機製シーケンサFXシリーズでは、ビットデバイス出力反転命令は存在しません。代わりに交番出力(ALT)命令があります。

三菱電機製シーケンサFXシリーズにおける交番出力(ALT)命令については以下のページで解説しておりますので、宜しければご覧ください。

00_【三菱FXシリーズ】交番出力(ALT)命令の指令方法とラダープログラム例【三菱FXシリーズ】交番出力(ALT)命令の指令方法とラダープログラム例
注意
この記事中のラダープログラムはGX Works2で作成しており、PCタイプはQ03UDEに設定してあります。

1. ビットデバイス出力反転命令の指令方法

ビットデバイス反転出力命令には、1種類の指令方法があります。

  • FF:ビットデバイス反転出力命令

FFは、フリップフロップ(flip-flop)の略です。(だと思います…)

注意
ビットデバイス出力反転命令にパルス実行形の命令は存在しません。入力条件がONした立上りパルスを命令内で検知するため入力条件をパルス化する必要はありません。

FF:ビットデバイス出力反転命令

ビットデバイス出力反転命令は”FF”と指令します。

こちらがFF命令を使用したラダープログラム例です。

10_FF命令

このラダープログラムでは、入力条件である入力リレーX0がONするたびに出力リレーY0のON/OFF状態が切替わります。

タイムチャートは以下のようになります。

10_タイムチャート

入力リレーX0がONするたびに、出力リレーY0のON/OFFが切替わります。

このとき入力条件がONしている時間は関係ありません。入力条件がONしている間、毎スキャン出力リレーY0がON/OFFが高速で切替わってしまうこともありません。

入力条件がOFF→ONになった瞬間に出力条件の状態が切替わります。


先ほどのラダープログラムはGX Works2の回路上で FF Y0 と入力してEnterキーを押すと命令が挿入されます。

10_命令挿入

2.【例題①】立下りパルスのオルタネイト回路

下記仕様のラダープログラムをビットデバイス出力反転命令を用いて解説します。

仕様
スイッチ(X0)を押して離した瞬間に、ランプ(Y0)の点灯/消灯の状態が切替わる。

押して離した瞬間、つまりON→OFFになった瞬間は立下りパルスディフダウンと表現することがあります。

本例題では、立下りパルス(PLF)命令を使用して、立下りパルスを作ります。

GOTの動作イメージ

GOTの動作イメージは以下のようになります。

例題①_GOT

スイッチ(X0)を押して離した瞬間に、ランプ(Y0)の点灯/消灯の状態が切替わります。

このとき、スイッチ(X0)を押している時間は関係ありません。また、スイッチ(X0)を押した瞬間にランプ(Y0)の状態は切替わりません。

タイムチャート

タイムチャートは以下のようになります。

例題①_タイムチャート

入力リレーX0がON→OFFになった瞬間に、出力リレーY0のON/OFFの状態が切替わります。

ラダープログラム

ラダープログラムは以下のようになります。

例題①_ラダープログラム

入力条件を入力リレーX0とする立下りパルス(PLF)命令を用いて、スイッチ(X0)が押して離した瞬間にONする立下りパルスを作ります。(1行目)

立上りパルス(PLF)命令で指定された補助リレーM0は、X0がON→OFFになった瞬間に1スキャンだけONします。

この、X0の立下りパルスを入力条件とするビットデバイス出力反転(FF)命令を作ります。(2行目)

ビットデバイス出力反転(FF)命令で指定された出力リレーY0は、補助リレーM0がONする度にON/OFFの状態が切替わります。

3.【例題②】フリッカー回路

下記仕様のラダープログラムをビットデバイス出力反転命令を用いて解説します。

仕様
スイッチ(X0)を押している間、ランプ(Y0)が2秒周期で点滅※する。
※)点灯:1秒、消灯:1秒

よくあるフリッカー回路ですが、今回はタイマリレー(T)とビットデバイス出力反転命令を用いて作成します。

GOTの動作イメージ

GOTの動作イメージは以下のようになります。

例題②_GOT

スイッチ(X0)を押している間、ランプ(Y0)が2秒周期で点滅します。

ビットデバイス出力反転命令の特性上、ランプ(Y0)が点灯している時にスイッチ(X0)を離すと、ランプ(Y0)点灯し続けますが、今回はこれでOKとします。

タイムチャート

タイムチャートは以下のようになります。

例題②_タイムチャート

入力リレーX0がONしている間、出力リレーY0が2秒周期でON/OFFします。

繰り返しになりますが、出力リレーY0がONしている時に入力リレーX0がOFFすると、出力リレーY0はONし続けます 。

ラダープログラム

ラダープログラムは以下のようになります。

例題②_ラダープログラム

入力リレーX0を入力条件とするタイマリレーT0を用意します。このT0のb接点でT0自身をOFFすることより、T0のa接点は1秒周期で1スキャンのみONします。

1秒周期で1スキャンのみONするT0のa接点を入力条件とするビットデバイス出力反転命令を用いて、出力リレーY0のON/OFF状態を1秒ごとに切替えます。

ビットデバイス出力反転命令を使用せずにフリッカー回路を作る方法は他にも数多く存在します。フリッカー回路については以下のページで解説しておりますので、宜しければご覧ください。

00_【ノウハウ初級】フリッカー回路(点滅回路)のラダープログラム例【三菱FX】【ノウハウ初級】フリッカー回路(点滅回路)のラダープログラム例【三菱FX】 00_フリッカー回路(点滅回路)の練習問題①【ラダープログラム】フリッカー回路(点滅回路)の練習問題① 00_フリッカー回路(点滅回路)の練習問題②【ラダープログラム】フリッカー回路(点滅回路)の練習問題②

4. おわりに

三菱Qシリーズにおけるビットデバイス出力反転命令について解説しました。

記事の冒頭でも申し上げましたが、同じ三菱電機製シーケンサFXではビットデバイス出力反転(FF)命令は存在せず、代わりに交番出力(ALT)命令が存在します。

他にもQシリーズでは使えた命令がFXシリーズだと使えないものがありますので、使用するシーケンサの取説をご参照ください。

以下の参考書は、シーケンス制御・ラダープログラムについて詳しく解説しているものです。

本書は私が通っていた短大のシーケンス制御の講義に教科書として使用していました。

シーケンス制御で必要なスキルはリレー回路やラダープログラムを組めることだけではなく、ソレノイドバルブやインダクションモータなどの機器を理解していなければなりません。本書では、それらの機器を実際の機構を交えて解説しています。

ラダープログラムは基礎部分から、一連動作を組むまで解説していますので中級者が読んでも意味がある内容です。

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