NOR回路とは、入力条件のいずれか1ヶでもONすると出力条件がOFFする回路です。言い換えると、入力条件がすべてOFFのときのみ出力条件がONする回路です。
OR回路を反転した回路(NOT OR)であることからNOR回路、もしくは否定論理和回路と呼ばれています。
この記事では、キーエンスKVシリーズで作成するNOR(否定論理和)回路のラダープログラム例を2ヶ解説します。
リレー回路で作成するNOR(否定論理和)回路については以下のページで解説しております。
![00_【リレー回路】NOR回路の回路図と動作](https://denkisekkeijin.com/wp-content/uploads/2019/09/00_【リレー回路】NOR回路の回路図と動作-2-160x160.png)
三菱電機製シーケンサFXシリーズで作成するNOR(否定論理和)回路のラダープログラムについては以下のページで解説しております。
![00_【ラダープログラム回路】NOR(否定論理和)回路のラダープログラム例【三菱FX】](https://denkisekkeijin.com/wp-content/uploads/2019/03/00_【ラダープログラム回路】NOR否定論理和回路のラダープログラム例【三菱FX】-160x160.png)
目次
1.【例題①】入力条件が2ヶのNOR回路
下記仕様のラダープログラムを解説します。
スイッチがどちらも放されるとランプは点灯する。
スイッチは押すとON、ランプはONすると点灯するものとする。
2ヶのスイッチをどちらか一方でも押されるとランプは消灯します。スイッチがどちらも放した場合のみランプは点灯します。
真理値表
真理値表は以下のようになります。
![例題①_真理値表](https://denkisekkeijin.com/wp-content/uploads/2020/08/例題①_真理値表-3.png)
この真理値表では「”1”がON」「”0”がOFF」を表しています。
入力条件R0とR1のOR(論理和)がR1000になります。
![例題①_真理値表1](https://denkisekkeijin.com/wp-content/uploads/2020/08/例題①_真理値表1-3.png)
今回求めるNOR(否定論理和)はOR(論理和)を反転したものです。つまり真理値表でR1000の0と1の状態を反転した結果であるR500がNOR(否定論理和)となります。
![例題①_真理値表2](https://denkisekkeijin.com/wp-content/uploads/2020/08/例題①_真理値表2-3.png)
R0とR1のNOR(否定論理和)であるR500は、入力条件がどちらか一方でも”1”の場合に”0”となります。
タイムチャート
タイムチャートは以下のようになります。
![例題①_タイムチャート](https://denkisekkeijin.com/wp-content/uploads/2020/08/例題①_タイムチャート-2-1024x471.png)
R1000がR0とR1のOR(論理和)、R500がNOR(否定論理和)となります。
R1000を反転した結果がR500となります。
ラダープログラム
ラダープログラムは以下のようになります。
![例題①_ラダープログラム](https://denkisekkeijin.com/wp-content/uploads/2020/08/例題①_ラダープログラム-3-1024x377.png)
内部補助リレーR1000の実行条件に入力リレーR0とR1を並列で接続することにより、R1000にはR0とR1のOR(論理和)の結果が格納されます。(1・2行目)
出力リレーR500の実行条件をR1000のb接点にすることで、R1000を反転した結果がR500に格納されます。つまりR0とR1のOR(論理和)のR1000の反転であるNOR(否定論理和)がR500に格納されます。(3行目)
2.【例題②】入力条件が3ヶのNOR回路
下記仕様のラダープログラムを解説します。
スイッチがすべて放されるとランプは点灯する。
スイッチは押すとON、ランプはONすると点灯するものとする。
【例題①】では入力条件であるスイッチが2ヶでしたが今回は3ヶです。少しややこしくなりますが考え方は同じです。
真理値表
真理値表は以下のようになります。
![例題②_真理値表](https://denkisekkeijin.com/wp-content/uploads/2020/08/例題②_真理値表-2.png)
この真理値表では「”1”がON」「”0”がOFF」を表しています。
入力条件に対する「OR(論理和)がR1000」「NOR(否定論理和)がR500」となります。
タイムチャート
タイムチャートは以下のようになります。
![例題②_タイムチャート](https://denkisekkeijin.com/wp-content/uploads/2020/08/例題②_タイムチャート-4-1024x549.png)
R1000がR0・R1・R2のOR(論理和)、R500がNOR(否定論理和)となります。
R1000を反転した結果がR500となります。
ラダープログラム
ラダープログラムは以下のようになります。
![例題②_ラダープログラム](https://denkisekkeijin.com/wp-content/uploads/2020/08/例題②_ラダープログラム-4-1024x490.png)
NOR(否定論理和)回路の入力条件が増えた場合、OR(論理和)回路の入力条件に直列で追加します。
3. おわりに
キーエンスKVシリーズで作成するNOR(否定論理和)回路のラダープログラム例を解説しました。
NOR(否定論理和)回路の動作は少々ややこしいかもしれませんが「OR回路の逆」と考えると簡単かもしれません。OR(論理和)回路は以下のページで解説しております。
![00_【ラダープログラム回路】OR(論理和)回路のラダープログラム例【キーエンスKV】](https://denkisekkeijin.com/wp-content/uploads/2020/08/00_【ラダープログラム回路】OR論理和回路のラダープログラム例【キーエンスKV】-160x160.png)
よく似た名前で、NAND(否定論理積)回路と呼ばれるものが存在します。NAND(否定論理積)回路は以下のページで解説しております。
![00_【ラダープログラム回路】NAND(否定論理積)回路のラダープログラム例【キーエンスKV】](https://denkisekkeijin.com/wp-content/uploads/2020/08/00_【ラダープログラム回路】NAND否定論理積回路のラダープログラム例【キーエンスKV】-160x160.png)
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